ひつじ泥棒2

Who stole my sheep?

盛り上がる上野、国立西洋美術館

 

上野、昨年にはコルビジェ建築の国立西洋美術館世界遺産に登録、先日終了した上野の森美術館の「怖い絵展」は41万人来場、上野動物公園ではシャンシャン公開、御徒町にはパルコ上野、もといパルコヤ(PARCO_ya)というパルコの冗談のような名前のファッションビルがオープン。年末に向けてはアメ横界隈がテレビを賑わすことでしょう。

 

上野、じわっと盛り上がっています。これで椎名林檎に上野か御徒町あたりが登場する歌詞を書いていただけたら天晴れです。ところで、パルコヤの「ヤ」って何でしょう。

 

「怖い絵展」はとても見たかったのですが、アイドルのコンサート並みの混雑ぶりと聞いていました。週末は3時間強待ちもざらのようで、あんな寒い中そんなに待ってまで見たいものって…なんてことを考えていたら、残念なことに会期終了。

 

パンがなければ、ケーキを食べたらいいじゃない、シャンシャンに会えなくても、リーリー(パパ)ならいつでも会えるよ、「怖い絵展」が混んでるなら、北斎でもいいじゃない。

 

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北斎ジャポニスム 1月28日まで


国立西洋美術館で開催中の「北斎ジャポニスム」を観てきました。質、量ともに見応えのある展示で、キュレイターやスタッフの熱がびしびし伝わってくる、素晴らしい展覧会でした。展覧会の素晴らしいのはさることながら、葛飾北斎の創作意欲と申しますか、ありとあらゆるものを描きとめた北斎のあくなき欲求にも驚きました。人、動物、植物、昆虫、風景画……目に映るものは全てスケッチしないと死んでしまうのかもしれません。

 

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変顔


これってモデルはいたのでしょうか。想像で描くわけはない気がするので「すまないけど、ちょっと箸をここと、ここに。そうそう。ほんでもう一本。そうそう」とか言いながら、近所の兄さんの鼻と口にお箸を挿して、ニヤニヤしながら絵を描いていたのでしょうか。変人度数の高い中に鈍く輝く才気。どんな人だったのかすごく気になります。ちょっと検索すれば、そこそこ出てくると思うのですが、今までのところは北斎の人となりを妄想して楽しんでいます。想いを膨らませて、近々すみだ北斎美術館に行ってみようと思います。

 

たっぷり堪能してきました。来場客があと4分の1でも少なければ、もっと楽しく観ることができるのに。なんて言ってみたり。そして、ミュージアムショップもなかなか楽しかったです。北斎の富士とか、北斎漫画の絵とか、じゃんじゃん商品にしちゃうところ。奥ゆかしいニッポンのお面をかぶったこの商魂たくましい感じ、嫌いじゃありません。

 

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常設展示のアイテムも取り揃えてありました。ゴッホのバラなどがあしらわれた煉羊羹とか、パッと見ラルフローレンの、ロダンの考える人靴下とか。

 

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久しぶりに「考える人」のまわりを何周もぐるぐるして堪能してきました。

 

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逆光

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お背中

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想像以上にふんばっていた足

 

国内に5体ある「考える人」全員と、機会があればお会いしたいなあと考えています。

 

 

きじ焼きを食す 埼玉屋/浅草橋

 

中華麺が手に入りにくい地域では、スパゲティ(できれば卵麺)の茹であがりに重曹を入れると中華麺っぽくなるのを利用して作るなんちゃってラーメン。その他、水気を絞った豆腐をつぶして、片栗粉で海苔をつけ甘辛く焼いて、うなぎの蒲焼風…などなど、無ければ作っちゃうぞ!というチャレンジ擬似料理。

 

今に始まったものではなく、室町から江戸時代にも、きじ(雉)が美味しいとされていて、きじの肉を味わってみたいというところから生まれた擬似料理のひとつが、とり肉や魚の切り身などを、しょうゆ、みりん、酒などで作ったつけ汁に漬けて焼いた「きじ焼き」なのだそうです。「きじ」と「ぎじ」って似てるね。

 

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浅草橋から蔵前方面に歩いて少しのところにある、下町で下町感をムンムンと醸し出している「埼玉屋」。お持ち帰り専門で、絶品のきじ焼きを食べさせてくれるそう。店前に止められたスーパーカブがお出迎え。

 

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焼き場。誰が主人なのかわからないのですが、全員主人だったとしてもおかしくない貫禄のベテラン感溢れる男女が働いていらっしゃいます。その内のひとりが、おもむろにガスを入れ、冷蔵庫から出してきた美味しそうなとり肉をバットにのせ、壺というか瓶(かめ)のような中からタレをすくい、一升瓶から直に酒を振る様子がワイルド。江戸っ子感あふれています。

 

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我が家の特上きじ丼と、特上きじ焼き(きじ丼のごはんなし)、そして焼き鳥が焼かれています。網に薄く切ったとり肉を素手で乗せていく様もワイルド。バットに残ったタレ汁をとり肉で拭き取ってバットを綺麗にする様もまたワイルド。

 

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お店の中に貼られている免許的な証書やポスターはもはや判読不明。きゃっきゃとはしゃぐわたしの存在などないかのように黙々ととり肉を焼くおじさん。彼もまたワイルドです。

 

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焼いている間にも近所に美味しい匂いが漂います。この美味しい香り、攻撃力高いです。赤いうちわがまたワイルド。そろそろかなという頃、おじさんに「焼き鳥どうする」とこれまたワイルドなダミ声で声をかけられました。怒っているかのような迫力のある声にビクっとしてしまいました。焼き鳥どうするとは…どういうチョイスを聞かれているの?と戸惑って(怯えて)いると、焼き鳥を別に包んだらいいのか、焼き物と一緒にしていいのか、という意味だったようです。言葉少なすぎ…やっぱりワイルド。

 

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いただきまーす。ぷりっぷりのとり肉が、悶絶しそうなほど美味しい。写真は特上きじ丼。きじ焼きの下には海苔が敷かれ、その下にごはんです。別タレと七味唐辛子もついてきました。ごはんに滲みたタレも美味しそう。

 

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焼き鳥も、きじ焼きだけも、もちろんぷりっぷり。しょうゆ、みりん、酒ベースの美味しくないわけがない我らがジャパンのゴールデン調味料。一般の家庭でもよく登場する味付けだと思うのですが、こんなに美味しく焼かれちゃったら、もうおうちで作れない!と嫉妬しちゃう美味しさです。

 

ごはんがないからもう丼ものは終わりなんて日もあるお店。ごはん好きの人も、ビールのお供に焼きだけ食べたい人にもぴったりの、ワイルドなおじさんによるワイルドなお店の繊細なきじ焼きでした。

 

ひとこと言いたい

 

まったくもってどうでもよいようなものなのに、どうしても「ねえねえねえ」と誰かにひとこと言いたいことがあります。たとえどんなリアクションをされても、、もしくは何のリアクションをもらえなくとも、ただただ言いたいだけ。面白いとかオチがあるわけでもないどうでもいいひとことですので、どうぞお気になさらずに…

 

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ソーダーも気になるし、変色?したような色も気になるし

 

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はいとしか言えない

 

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平和なバリケード



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バスの天井に頭をぶつけるシチュエーション

 

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日本語を喋れるお医者さんはいるのかな

 

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なんか生々しい

 

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それはもはや韓国料理?



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自転車のチャイルドシートに…

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ラスタマン☆ボブ・マーリー

 

チャイルド、もしくはベイビーのシートにボブ・マーリーとは、なんともいろいろといらぬ想像をしてしまいます。レゲエがお好きなのか、ボブがお好きなのか何がお好きなのか。

 

映画やドラマなどで、お腹のあたりをぼふっと殴って気を失わせる、というシーンが昔からたまにありますが、一発で仕留めるくらいの急所なんてあるのでしょうか。苦しくてうってなるくらいならともかく、意識失うって相当ですよね。話の流れの演出にしても、どうしてそんなことを思いついて、脈々と受け継がれている理由を知りたいです。

 

最初の写真のクリームソーダーは何ソーダーなんでしょう……

 

と永遠のループに入るまえに、このへんにしておこうと思います。

 

 

 

レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル

 

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六本木ヒルズ森美術館で開催中の「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」に行ってきました。

 

レアンドロ・エルリッヒ(Leandoro Erlich)はアルゼンチン、ブエノスアイレス出身のアーティスト。アルゼンチンものといえば見ておきたい。

 

作品を見たり、覗いたり、歩いたり、さわったり、入ったり。大人も子供も楽しめる展覧会でした。三脚やフラッシュ禁止など、一定の縛りはあるものの、写真なども取り放題。ブログもSNSもOKです。でも念のため…

*本ブログで使用する写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。作家名:レアンドロ・エルリッヒ

 

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建物 Building: via mori art museum

展示作品の一つで参加型のインスタレーション作品「建物」。上の写真のように建物の壁に人がぶら下がっているように見えますが、実際はこんな風。

 

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建物(模型) Building (model)

建物の壁が描かれた絵の上に寝転んで、角度のついたミラーに映る壁を撮影している感じになっています。参加するとこんな感じ。

 

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宣材用写真の倍くらいの人混み。ちょっと混みすぎ。かなり真剣にぶら下がっている演技をしているお姉さんがいたり、壁から落ちてる風な演技のおじさんがいたり、ただただミラーに映る自分を見てはしゃぐコンセプトをまったく理解していない微笑ましいキッズがいたり、ちょっとしたカオスっぷりもまた楽しかったです。

 

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グローバル・エクスプレス Global Express

これ、わたしのお気に入りです。電車の車窓に見立てたビデオインスタレーション作品。座って窓の外を眺めていると東京の街が外に見えます、そして気がつくとパリの街、そして…と車窓から流れてくる世界の街角。目に見えているのはここまでなのですが、見ているうちに生活のこと、過去や未来、旅行で行ったどこかの街、思い出などなど、いろいろな記憶や映像や思考が刺激される不思議な気分になりました。

 

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美容院 Hair Salon

ぱっと見た時、入った瞬間は何がどうおもしろいのか、トリックはあるのか、すぐにはわからないのですが、その場にしばらくいるといろいろと見えてきて、おどろいたり、笑ったり、鼻笑いしたり。そんな感じが楽しいエルリッヒの作品たちでした。

 

上の「美容院」、鏡前の写真ではないんです。鏡に映って見えるように、手前の部屋と奥の部屋を鏡写しになるよう物が配置されています。えーそういうこと?わー、あ、ほんとだー。とじわじわわかっていくのが楽しい。

 

知覚や認知をうまく扱っているけれど科学的ではなく、どこかに手作りな抜けた感じあり、シニカルで、ユーモアがあって、ひねりもあって、まあなんとも楽しく大満喫してきました。

 

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眺め The View

覗きまくるひとたち。作品を見ることと同じくらい、見る人たちを見るのもおもしろいです。

 

あらかじめぴあでチケットを買うと、直接美術館で購入するよりも300円安くなります。「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」来年4月1日まで。

 

www.mori.art.museum

 

M-1と、おじさんと

 

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六本木ヒルズでは、M-1の敗者復活戦をやっていました。

 

一番笑ったのはジャルジャルでした。いやーくだらなすぎて笑けました。ふう面白かった。最終3組では、個人的にはとろサーモンだったのですが、CM中にツイッターを覗いていたら、圧倒的に「優勝和牛、でもミキがおもしろかった」の量が多く、そんなものかしらーと思っていたら、まさかのとろサーモン優勝。

 

今年もあっという間に最後の月になりました。

 

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本当は奥にいるウールのひゅっとしているおじさん(アイスランド出身)が今年のセンターのはずだったのですが、最近やってきた新入りのおじさんがそのポジションを奪取。

 

最後まで何がおこるかわかりません。気を引き締めて、穏やかな12月を迎えようと思います。

 

 

 

アップルパイとかアップルパイとかアップルとか

 

最近食べたいものがたくさんあって大変です。ナプレのピザ(仙台の美味しいピザ屋)っぽいピザ、うちカレー、インド的なカレー、焼肉、干しもちなど。他にもいろいろあるのですが、ここ最近の食べたいラインナップです。

 

これらの頂点に君臨して、わたしの食べたいボタンを連打しているのがアップルパイです。アップルバイが食べたくて、食べたくてしょうがない日々。

 

帰り道、目に付いたケーキ屋さんをのぞいてはアップルパイを探すのですが、どこでもありそうなものなのに、たまたまなのか、隠されているのか、アップルパイだけはなく、…なぜでしょう。ああ、アップルパイ食べたいなあ。そんなわけで週末は、アップルパイが確実にあるお店に狙いを定めて出かけてきました。

 

わたしの熱いアップルパイ愛を受け止めてくれることになったのは、マミーズ・アン・スリール/お母さんの笑顔です。

 

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季節もの、紅玉のアップルパーイ

 

www.mammies.co.jp

 

紅玉のアップルパイ、中サイズのホールを連れて帰ってきました。ここのアップルパイははじめてでしたが、評判にたがわずお母さんの味なアップルパイ。

 

わたしの母も紅玉が大好きで、この季節になると実家には常に大量の紅玉があり、次々煮てはアップルパイになり、りんご入りの芋きんとんになり、それらが消費されるより先に次の紅玉たちがキッチンにスタンバッている家で育ちました。

 

先日実家に行った時は、紅玉の出始めシーズンだったのですが、さっそくキッチンに紅玉たちが鎮座しておられました。まだ美味しくないわー、フライングだったわーと愚痴る母。かわいい。

 

そして娘のわたし。紅玉のアップルパイ、紅玉の芋きんとん大好き遺伝子は確実に受け継がれているのですが、それを自分で作る遺伝子は全く引き継がれなかったよう。ですが、これからはマミーズのアップルパイがあるから大丈夫。

 

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どどどーん

 

 

はじめて食べたアップルパイの一方で、数的には間違いなく一番多く食べているアップルパイは、アフタヌーン・ティー・ティールームのアップルパイです。

 

www.afternoon-tea.net

 

お母さんの味とはまた違ったベクトルのアフタヌーン・ティーのアップルパイ。こちらはわたしに多少でも母のアップルパイ遺伝子があったとしても、再現するのは難しい系アップルパイです。とは言ってもクックパッドで再現レシピがあがっています。世のアップルパイ人には頭が下がります。

都内はもちろん、札幌、仙台、大阪、横浜などなど、全国津々浦々のアフタヌーン・ティーでアップルパイをいただいてきました。なんか好きなんですよね。そのうちのかなり多くの数のアップルパイを共に食べてきた友人がいるのですが、下の写真もその友人と久しぶりに会った時に食べたアップルパーイ。

 

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アフタヌーン・ティーのアップルパーイ

 

アップルパイとチャイ。ゴールデンマリアージュです。このアップルパイとチャイと共に、いくつのどうでもいい話を食べたことか。アップルパイ関係ないですが、以前はチャイにシナモンパウダーとブラックペッパーがついてきていたのに、いつの頃からかシナモンのみになっているが気になっています。

「アップル」は、普通の王道的なくだもので、多くの国や文化圏でも普通にあって、そんな普通な感じなのに、アダムとイブが食べたのがアップルだったり、ニュートン万有引力もアップル、ウィリアム・テルもアップル、ビートルズもアップル、iPhoneもアップル、椎名さんもアップル。アップル最強です。