暖かくて、綺麗な海に行きたい!フィリピンのボラカイ島へ行ってきました。
ビーチでごろんとして、飲んで、読んで。暑すぎる時間は部屋に戻ってベットでごろん、飲んで、読んで。ちょっと陽射しが和らいできたらまたビーチでごろん、飲んで、読んで。はい1日もしないうちに、これであなたも立派なダメ人間。
旅先で読む旅本
ボラカイ島の一冊目は村上春樹の随分久しぶりに出したという紀行文集です。旅先で旅本というのが、意外に面白かった。
遠浅の青のグラデーションが美しい海を横目にフィンランドの章を読んでいると、寒いフィンランドで、暖炉の前でムーミンがマリメッコのランチョンマットをひいて、シベリウスの交響曲を聴きならがらヘラジカの煮込みを食べている姿が浮かんできたり。
そういえば、アルゼンチンには『フィラデルフィア』じゃなく『フィンランディア』という、冗談みたいな名前のアルゼンチン産クリームチーズが売っていたなあと連想したり。
熊本の章を読んでは、四方八方どこに目を向けても視界に入り込んでくる、おびただしい数のくまモンに度肝を抜かれたこと。そして未だ謎なのが、文字通り360度見渡す限りいる大量?大勢?のくまモン達を写そうとカメラを向けても、まるで私が話を盛っているかのように、くまモン達はさっと姿を隠し、くまモンだらけ感が写真上まったく表れないというミステリー。そんな熊本のことをまるで昨日のことのように思い出していました。
ふわふわの白砂のビーチという非日常の中で読む旅本は、日常生活の中で読むそれ以上に色々なことが生々しく、遠い国々で自分ではない誰かに起こった出来事が、より身近に感じられる気がします。
印刷会社見学
この本の奥付を見ると、何かのご縁か(ただの偶然ですが)昨年機会があってお邪魔した印刷会社で印刷されたものでした。あそこで生まれたのかと思うと、実に感慨深い。
そこは歴史ゆかしき印刷会社。現在はDTPソフトなどで本を設計しますが、今でもここのオフィスの奥では、コンピューターと呼ぶにはあまりにもレトロな「電算写植」の機械があるかないかの出番の為にスタンバイしています。
写真撮ってもいいか尋ねると、快くOK。使い方も教えてくれたのですが、想像が及ばないほど手順が多く、作業効率が悪そうな機械。が、一旦ポジションを覚えてしまえばこっちの方がコンピューターより早いとおっしゃってました。本当かなあ。
敷地の一角には、ちょっとした博物館のような活版印刷時代の展示室があり、すでにその役目を終えたたくさんの活字が静かに余生を送っていました。こうやって実物の活字達を見ていると、その数の多さに圧倒されます。
せいぜいアルファベットとアラビア数字くらいの言語もあれば、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットとアラビア数字の5種を混合して使う言語もあるなんて。ひらがな、カタカナがそれぞれ50ずつ、常用漢字だけでも2136、アルファベットが26、数字が10。いやいや。使用文字数もちろん世界で一番の我が国、ニッポン。いやいやいや。
村上春樹からメールをもらう。2通も!
村上春樹と言えば、思い起こせば1年ほど前のこと。村上春樹が読者のメールに直接返事をくれる(かもしれない)『村上さんのところ』という期間限定のサイトがありました。メールの受付期間は15日間、3万7465通のメールが来て、3000以上の返信をされたそうです。
サイトの存在を知ったのは、既にオープンしてから数日経っていたのですが、暇なわたくし、質問やら感想やらを、そこから毎日1通ずつ村上春樹に送り続けたのでした。
するとどうでしょう、村上春樹からお返事が返ってきたのです。しかも2回も!「村上ですが」という件名のメールが自分のメールボックスに入っているのを見つけた時はなかなかコーフン。いかにも村上春樹な感じのお返事でした。ふふふ。
結構色々送ったはずなのですが、これがまたどうでもいいような内容のメールにお返事をいただきました。pucayuの名前の質問メール、それ、わたしです。
そんなこんなのうちに、すっかり酔いがまわり、頭はまわらなくなり、眠くなり、そして日が沈む、というパターン。海に沈んでいく夕陽を見るのは、ほんと久しぶりで美しかった。