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ひつじ泥棒2

Who stole my sheep?

事件です! ー後編ー

どうでもいいような話

 

*前回のつづきです

 

 

「事件です」

 

夫が警察に電話をしてくれたのですが、いきなり「事件です」と言ったので正直面食らいました。そんな大げさな。

 

後で聞いたところ、110番にかけると、呼び出し音がなることもなくすぐに電話がつながり「はい、110番です。事件ですか、事故ですか?」と言うそうです。ですので必然的に「事件です」と答えたとのこと。なるほど。確かに事故ではありません。ともかく警官がこちらに来てくれるそうです。

 

ほどなくして、どことなく若手芸人のような雰囲気の、いかにも人の良さそうな正義の味方といった感じの警官が来てくれました。若い男性の2人組ってつい芸人さんに見えてしまいます。

 

再び経緯を説明。鍵が回らなかったこと、でも今は回ること。最初に帰ってきたときには部屋から灯りが漏れていて、カーテンのフックもひとつ外れていたのに、その後もう一度戻ったときには電気も点いておらず、フックも外れていなかったこと。室内は荒らされているどころか、ネギ1本たりとも動かされた気配はなく、なくなっているものも確認した限り一つもないこと。ただ、買い物袋がメーターボックス入れの中から忽然と消えてしまったこと。

 

一通り話終えると、後輩であろう方の警官が家の中やベランダなどを確認し、先輩であろう警官が再度時系列で話の細部を確認していきました。携帯に残った時間や、レシートに打刻された時間、話のつじつまをひとつひとつ確認しても、やはり意味がわからないらしい。……わたしもわからないです。

 

仮に部屋の中に侵入者がいたとして、物も盗らず、まったくなんの痕跡も残さずに立ち去ることは極めて考えにくいそうです。仮にそうだっとして、わざわざ玄関脇のメーターボックスを開けて、大きな買い物袋を持ち去るなんて、まったく意味がわからない。……ですよね。

 

気味が悪いことだけは間違いないので、できることなら鍵をもう一つつけること、今後何か少しでもおかしいと感じることがあれば、家には入らずすぐに警察に電話してくださいと言われました。結果、何もなければそれが一番いいので、そんなことは気にせずに、何か不審なことがあったら警察に電話してくださいねと何度も言い残し、明日また管理の方がいる時間に確認しにきますと帰って行きました。

 

全てはわたしの幻覚なのでしょうか。でもレシートもあるし、買い物袋がないことだけは事実です。でも、もはやそれすら確信がありません。何も解決しないまま、同じことをグルグルと考えていましたが、何も思いつきません。

 

年末年始には旅行に行く予定でしたが、そんな気分もすっかりなくなりました。今からキャンセルできるかなあ。今からキャンセルできるかなあ。今からキャンセルできるかなあと何度かつぶやき、お願いしたわけではないのですが、夫が確認してくれました。僅かなキャンセル料とキャンセルマイルでキャンセルできそうとのこと。キャンセルです。とてもじゃないですが旅行気分ではありません。そして引越し決行です。優柔不断で右に行くか左に行くかも決められないわたしがマッハの決断。

 

いずれにしても具体的なことは明日。その日はベッドに倒れこみました。ぐっすり眠れるあたり、そんな自分も嫌になります。

 

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翌朝、全部夢だったらいいのにと思いましたがそんなことはないようでした。髪を乾かしていると廊下に昨日の警察官と出勤してきた管理人が一緒にいるところが見えました。朝からすみません、ありがとうございます。

 

「おはようございます。」出て行くと、普段から渋顔の管理人がさらに渋い顔。それはそうですよね、朝一でそんなニュース、本当にすみません。

 

管理人さんを交え、ざっくりと昨日のおさらい。その後、後輩警官が話し始めました。「いやあ、昨夜帰ってからこんな不思議なことがあったと他の警官に話したんですよ。そうしたらね……、

 

先輩の警官に言われたんですよね。

 

それ、階を間違えたんじゃない?って」

 

へ?は?階?階を間違える?そんなことってあるの?

 

「ありました!」

 

上の階から先輩警官の笑顔と、特大サイズの買い物袋が。「これですよね!」事情を飲みこめないわたし。とりあえず良い方向の話と理解した管理人、ここに入居して以来初めて見る最高の笑顔。

 

サンタクロース並みの大きな袋を抱えた先輩警察官が降りて来ました。「いや、実はね、こんな不思議なことってあるんだろうかと署に戻って他の警官に話したら『それ多分階が違うだけだよ。ああいうマンションって作り一緒でしょ。鍵が回らないのも当然でしょ。しかも夜で、無意識だったら全然気がつかないものですよ』って言われたんですよね。夜も相当遅かったので、朝に来ようということにして今来たんです。」

 

上の階を覗いてみると、確かにカーテンのフックが外れています。昨夜わたしが見たまんま。これって、これって、これって……。

 

ご迷惑をおかけした皆さまにはお詫びの申上げようもありません。深く、深く反省しております。

 

わたくし、ただいま猛省中。この指がエレベーターで違う階を押したことも、違う階で違和感を全く感じなかったことも、その他のもろもろ本当に申し訳ありませんでした。何が信じられないって、自分のことが一番信じられません。

 

恥を忍んで、今後の戒めと心からの反省とをこめまして、ここに公開させていただき、これをもちまして本年最後のブログとさせていただきます。いつも読んで下っているみなさま、今日たまたまブログを開いてくださったみなさま、ありがとうございました。心穏やかな年末年始をお過ごしください。

 

ぷかしゅ

 

 

 

 

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