前回のつづき
「アレもコレも食べたい派」と「コレの食べ比べ派」、わたしは「アレもコレも食べ比べたい派」なのですが、人並みに胃袋がひとつしかついていないので、どちらもとなると厳しいので、今回は後者で。
限られた日数の中、何からいきましょう。魅力的な台湾スイーツ、夜市の屋台グルメ、奥が深い茶藝館(チャーイーグアン)で台湾茶を堪能か。壮絶な生き残り合戦を制したのがみんな大好き小籠包(ショーロンパオ)です。
かつて南米各地の中華料理店で何度となくオーダーしては、何度となくセイロに入った小さな固めの肉まんを出され「いつか『おいしい』小籠包をおなかいっぱい食べたい」と、毎晩夢にまで見たものです。というのは嘘ですが、おいしい小籠包いっぱい食べたい。
CONTENT
- 上海味香小吃店(シャンハイウェイシャンシャオチーティエン)/台南
- 鼎泰豐(ティンタイフォン)/信義店・台北
- 點水樓(ディエンシュイロウ)/懷寧店・台北
- 済南鮮湯包(ジーナンシェンタンバオ)/台北
- どこの小籠包が一番美味しいのか
*食べた順番です
上海味香小吃店(シャンハイウェイシャンシャオチーティエン)/台南
お店の前でおじさんがつくる小籠包
台南では小籠包のお店は少ないそうなのですが、だからと言って台南の小籠包が美味しくないというわけではありません。「なんでも美味しい台南」の看板に偽り無しです。近所のおじさんがちゃちゃっと作ってほいっと出してくれたような、それが劇的に美味しかった、そんな感じです。小籠包との相性抜群の、酸味や辛味の少ないちょっと甘めの柔らかい味の酸辣湯(サンラータン)。台湾ビールも美味しかった。
地元ファミリーがたくさん来ていました。どのテーブルでもお母さんがチョキチョキと料理にハサミを入れていて「あれは何を食べているんだろう」と興味深々で見ていたら、小さな子供が食べやすいように切っていただけでした。
あふれんばかりの酸辣湯
配達のお兄ちゃんたちに、ここから撮れとか指導頂いたのですが、ホントにこの角度でいいのか
鼎泰豐(ティンタイフォン)/信義店・台北
「お酢3、醤油1ね」とウエイター
説明無用の鼎泰豐の台湾本店に行ってまいりました。知らないうちに仙台にも出店していてビックリ。今回候補に入れていなかったのですが、台北にやって来て最初の1セイロをどこで食べようと迷った時に、ここはあえて行っておくべきではないかとやって来ました。やはり外すことのない安定の美味しさです。
なんと言っても「世界の」の冠が付くほどの有名店。閉店時間が迫っても次々と押し寄せる各国から観光客を、滞ることなく、多言語を操り、笑顔でキビキビとさばいていく受付のお姉さんの能力の高さ。近くにいたおじさんは「ありゃあ良い大学出てるな」と感心していました。いずれにしても、彼女のようなスタッフは会社にとって宝でしょうね。アッパレです。
ちなみに台南では1セイロ7個(60元/約216円)、ここでは1セイロ10個(210元/約756円)、台北にやって来て、エンゲル係数が一気に高くなりました。
安定の味、安心の味
夜9時近く、15分待ち
點水樓(ディエンシュイロウ)/懷寧店・台北
湯気の向こうに宝石が
街のごはん屋さんという雰囲気から一線を画す、正統派レストラン。お店にやってきた有名人写真も格式高め、横綱の白鵬や、Sex and the CityのMr. Big(クリス・ノース)。シックでエレガントな上海映画に出てきそうな店内です。世界の鼎泰豐を破って人気投票1位に輝いたお店と教えていただき、絶対来ようと決めていました。
ひとつめを口に入れると、ちょっとした驚きが口の中に広がりました。なんでしょう、思ってたのと違う角度からの美味しさ。スタンダード、オーソドックスを極めるとこんな感じなのでしょうか。たっぷりの肉汁、繊細な舌触り、しかと堪能してまいりました。他の点心やお料理もビールも美味しかった。
デザートに食べた揚げパンまで美味しかった
「2010年北台湾レストラン評価唯一最高評価5星獲得」的なことが書いてある電飾看板と、メニューから離れない男性
済南鮮湯包(ジーナンシェンタンバオ)/台北
湯気の中から極薄皮の小籠包
本日の包み担当。極薄皮のヒダが作られてます
注文が入ってから作ってくれるんですって。調理場が見えるガラス横の席に通されたため、ちょっとしたエンターテイメント。ポリポリときゅうりをかじり、ビールを飲みながら小籠包たちが一つ一つ丁寧に包まれていくのを、飽きもせずにずっと眺めておりました。この日の台湾ビールは「18天台灣生啤酒」賞味期限が18日の瓶生。結構好きな味。極楽。
お昼に行ったのですが、近所の会社から数人のグループでお昼を食べに来る人たちも多かったです。お店に入るとまず小皿のケースから好きな皿を各々取り席につきます。小皿はマストっぽい。わたしも会社の近くにこんなに美味しい小籠包のお店があったら、2日おきで通います。
今まで食べた中ではちょっと大ぶりの小籠包。最初の一口、極薄の皮が口の中で「パン」と弾けるような感覚に驚きました。涙がでそうなくらい美味しい。
きゅうり美味しかった
また来たい
どこの小籠包が一番美味しいのか
「台湾一美味しい、すごく美味しい」と、数ある選ばれしお店の中のほんの一部しか行っていないので、どこのお店も全部美味しかったとしか言えません。超ハオチーです。それぞれのお店に、店員さんやまわりの人とのちょっとしたやりとりや、その前後のいろいろなこともあいまって、どれも美味しく楽しかった。
ネットで検索するとザザザザとヒットするようなお店から、夜市の屋台、知る人ぞ知る近所の隠れた名店まで、毎日食べても全部のお店には行けない数の小籠包のお店が存在する、それこそが素晴らしい。
そして、小籠包以外にも、まだまだ美味しいものがたくさんある台湾。豊かな食文化を持つ国は楽しいです。