ひつじ泥棒2

Who stole my sheep?

廃墟と猫村[侯硐編/台湾5]


前回のつづき

 

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あばばばばば

 

旅先が決まると、これだけはというやりたいことを2、3考えます。今回のプランは以下の通り。本日のブログはリストの3つ目。

 

わたしの台湾リスト

1 台湾の海を見る (◯)

2 いっぱい小籠包を食べる(◯)

3 侯硐で廃墟を見る、猫に会う(本日のお題)

 

台北では夜中の内に降った雨が、朝起きると止んでいましたが、テレビを見ると、今日行く予定の侯硐(ホウトン)は、小雨や霧雨がふったり止んだりとの予報。廃墟は雨でもなくなりませんが、猫さんたちは雨の日でも姿を見せてくれるのでしょうか。その前に、わたしは雨の中出歩く気はあるのでしょうか。

 

ふだんあまり使うことのないやる気を引っ張り出して行ってきました。

 

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線路脇の廃墟、霧雨の中

 

台北から電車で1時間かからにほどの侯硐という駅で降りたところにあるのは「瑞三整炭工場」という1920年の鉄道開通に合わせて作られた炭鉱施設跡。かつては台湾きっての炭鉱の町で、ピーク時にが人口6000人以上あったそうですが、1990年に閉山すると人口は激減し、反比例するように猫口(びょうこう、なんて言葉があるのかは不明ですが)が増えていったそうです。

 

囲いこそあるのですが、まんま状態の廃墟を(不法侵入ではなく)こんなに間近で見る機会ってそんなにない。かなりトキメキます。が、間近写真はレンズに大きな雨粒がついていたため写真はなしです。あのトキメキ、記憶にとどめておきます。

 

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駅を出るまえから撮影会

 

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撮影会スタンバイ中

 

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にゃあ

 

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わん

 

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大家族

 

ぐずついた天気の中でしたが、各国から猫村に人が集まっていました。天気の良い日だったらもっとすごそう。一見人も住んでいなさそうな小さな集落ですが、猫たちと一緒に人も犬も仲良く住んでいます。猫たちや、集落の環境への配慮、教育の周知もされていました。

 

雑貨屋さんやカフェなどもあります。霧雨から小雨へと雨脚が少し強くなってきたので、カフェにはいってやり過ごそうと思っていると、お店の前でネコを追いかける2、3歳くらいの可愛い女のコ。逃げるネコ。ネコとお友達になりたい女のコ。捕まってなるものかとネコ。ネコ、無事に屋根に逃げ果せました。

 

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逃げるネコ

 

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逃げ果せたネコ

 

お茶を飲んでいると、ほどなくしてそのネコが夫の膝に飛び乗ってきました。小さな子どもより、おじさんの方が落ち着くのでしょうか。夫の太ももを念入りに踏み倒し、居心地を確認していました。腰を落ち着けるかと思いきや、おっさんに見切りをつけわたしの太ももに移動。わたしの太ももをフミフミ、フミフミ、フミフミ、フミフミ。おじさんよりおばさんの太ももの方が気持ちいことに気がついたのか、すっかりわたしの太ももを自分の場所と決め込んで毛づくろいを始めました。

 

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おばちゃんの太もも、きもちい

 

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iPhoneのカメラでいっちょまえに映りを確認しているネコ

 

小さい生き物が自分の膝の上に乗っている、なま暖かくって、ちょっと緊張を生むこの重み。くすぐったいような、どうしたらいいかわからないような、甘酸っぱい気持ちになりました。

 

心地良さげに毛づくろいするネコ、わしゃわしゃとするうちに、ストールにツメが引っかかっちゃった。取ってあげようとしたのが嫌だったのか、ネコ豹変。「シャーッ」とキバを向きわたしの手にツメを立てるネコ。さっきまでのとっても親密だったスイートタイム終了。なんならわたしの手、赤くなって痛いし。翌日ちょっと腫れたし。

 

ストールがツメから外れると再び機嫌がなおり、毛づくろいを再開するネコ。自由ですねえ。ネコとの蜜月モーメントもすっかり堪能できたし、そろそろと出ようと膝から降ろそうと抱き上げると可愛らしい声で「にゃあ〜ん」と言うではないですか。己の可愛さを遺憾なく発揮するネコ、完敗です。

 

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まつげぱっちりのネコさん

 

ふつうの猫の、ふつうの可愛さをたっぷり感じた1日でした。