不動産屋さんで「ペット飼育可」を希望していると伝えると必ず「ネコちゃんですか?ワンちゃんですか?」と聞かれます。まだいない架空のペットの話を、いい大人たちが集まって「ネコちゃん、ワンちゃん」と真面目に話し合っているの様子は、不思議な感じでした。
賃貸物件のペット飼育可物件、単身者用は増えているそうですが、都内のファミリー向け賃貸物件でとなると、なかな簡単ではないようです、というお話。
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そもそもの物件数が少ない
例えば検索サイトであるエリアの賃貸物件総数が20,000件あっても、「ペット相談」にポチっとチェックを入れただけで、物件数が10分の1、ときにはそれ以上減ることもザラにありました。さらに間取りや家賃などの条件を入れていくと、あっという間に20件程度まで激減、なんていうことも。
そして言うまでもありませんが、その20件が見学してみたい物件かどうかはまた別の話です。
今の住まいを探していた時も、はじめはペット飼育可物件で探していたのですが、あまりの物件の少なさに心が折れ、もういいや、となったのでした。
ペット様、ハードル高し。
ペットとは?
数は少ないですが、根気強く探していると(探しているのは夫ですけど)、これはなかなかよろしいのではと思うお部屋が浮上してくることもあります。「ペット相談」で検索していますが、物件を見せてもらう際には念のために不動産屋さんに「ペット可ですよね」と確認します。「記載があるので問題ないと思いますよ。……あ」不動産屋さん固まります。明らかに声色の変わった不動産屋さんがいいました。「ペット飼育に関する細則を確認したんですが……、小動物のみ可能のようです……ね」
「ね」って?「……小動物とおっしゃいますと?」
「小鳥とか……、亀とか……、ですね」
「…亀とか」
「はい、亀とか、小動物です」
こう言ってはなんですが、亀くらいで恩着せがましく「ペット可」とか言わなくても良いんじゃないでしょうか。
椅子取りゲーム
ただでさえ絶対数が少ない中、亀とか(亀にはなんの恨みもないのですが)紛らわしいオーナーのご意向に振り回されながらも、網の目をかいくぐって現れた物件。うちがいいなと思う物件は、当然他の方もいいなと思っています。部屋の見学をと不動産屋さんにコンタクトを取った時には、借り手が既に決まっているということもよくありました。
現居住者の退去日と同日に見学させていただくことにしていたのにも関わらず、予定の前日に借り手が決まってしまいました、と言われたこともありました。なんでしょう、この激戦ぶり。一つのペット可物件が市場に現れた瞬間、それに群がる人間たち。想像以上のスピード感で物件が消えていきます。
不動産屋さん曰く、もともとファミリー層のペット可物件が少ないため、出てきた瞬間、見学されることなく、条件と写真だけで決める人が多いそうです。うちはまだ動物がいるわけではないので(そもそも引っ越すべき理由すらない)見学せずに決めるなんて考えられませんが、既にペットがいる家族でそのエリアに引っ越さなければならないのであれば、見てからのんびりなんて流暢に構えていたら、いつまでたってもペットと暮らせません。
引っ越すの?
連敗に次ぐ連敗のまま新しい年を迎えました。冬です。寒いです。お出かけする気にもなりません。新たな物件が出てくる気配もありません。もうしばらくすると3月、進学や異動に伴うお引っ越しのピーク時を迎えます。ペット物件をめぐる争いもますますヒートアップ。勝てる気がしません。わたしのお引っ越するフリも、そろそろ疲れてきました。
しばらくこのお話、お休みしませんか?(そのまま彼の引っ越ブームがフェードアウトすることを期待)
「ほんと、きびしいねえ」夫がいいました。
このお話、まだしばらくつづきます。
思い出アルバム
チリ、イースター島(Isla de Pascua)
海を眺める7人のモアイたち