ひつじ泥棒2

Who stole my sheep?

『字幕屋のホンネー映画は日本語訳こそ面白い』太田直子

 

姉へのお土産に持って行った『うろんな客』という柴田元幸翻訳のエドワード・ゴーリーの絵本のブログ書いたのですが、その時に、姉もわたしに1冊の本を用意していました。その本がこちら。なんか翻訳被り。

字幕屋のホンネ (知恵の森文庫)

字幕屋のホンネ (知恵の森文庫)

 

 この本は映像翻訳家、太田直子の『字幕屋は銀悪の片隅で日本語が変だと叫ぶ』(2007)を文庫化した本です。代表作は以下(ウィキペディアより)

ヒトラー 最期の12日間 [DVD]

ヒトラー 最期の12日間 [DVD]

 

 

字幕屋の遠吠え、はたまた恨み節か。字幕の映像翻訳にまつわるテクニカルな苦労や裏話、そして、字幕屋VS配給会社との見えないバトルや愚痴がたっぷりと書かれた、ある意味映画字幕業界の暴露本のような一冊。

そんなところまで掘り下げていいの?と思うものもありましたが、そんなのは上澄みにすぎず、おそらく映像翻訳の実体はもっとカオスなのではないかと想像します。

4文字/秒という制約の中で一文字を削り出している翻訳家と、そんなことはおかまいなしに、やれオリジナルのセリフはこうだ、やれ原作はああだ、やれ史上の解釈はどうだ、誤訳だ誤訳だわー!と騒ぐ人たちもいるでしょうし。面倒臭いですね。

 

外国映画は字幕で見る方ですが、原語がわからないものは100%字幕を鵜呑みにしますし、原語がわかるものであれば自分の理解の手助けとして眺める程度。あまり字幕を気にして見たことがなかったのですが、一気に興味が湧いてきました。

確かに、しゃべっているセリフを全て文字にしたら、ニコニコ動画のように画面が文字で埋め尽くされる事態になるものもが出てきますよね。

また、常識や知識のベースがちがえば、単語1つにしたって、そのまま言っても伝わらないこともあります。

例えば、「the Reiwa」という文字を見て「あ、新しい日本の年号だね」とピンとくる非日本語話者もいれば、何の名前?と思う人、全く検討のつかない人、いろいろです。

その人の持っている情報のバックグラウンド次第で理解が変わってしまう単語をそのまま使うか、「新しい元号」とか、もっとぼやっと「新しい時代」みたいに変えてしまうのかは、翻訳者のさじ加減、そして時には大人の事情なのだそう。ふふ

翻訳者のさじ加減は当然と思いますが、大人の事情……おそるべし。

 

これからは字幕を見るではなく、読む事も楽しみになりました。

 

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