今週のお題「海」
できることなら海なし国や、海なし県には住みたくない、そう意識したのは生まれて初めて住んだ海なし州、アメリカのオハイオ州に引っ越してすぐのこと。
なぜ海のないオハイオに行ったのか。それまでは海のありなしなんて意識したことがなかったから。そもそも、そんなことが気になるなんて思ってもみなかったのです。
海の近くで育ったわけでもないのに。なぜなんでしょう。きっと、そういう状況になってみないとわからないことってあるのかもしれません。
オハイオでの生活は楽しかったのですが、気がついてしまったのです。わたしは、海なし国、海なし県には住みたくない属にカテゴライズされる人間のようです。
海がないことの何が気に入らないのか。閉塞感なのか、空気が流れない気がするのか。
オハイオ州は、全米の中では50州中34位と小さめですが、そうは言っても日本で1番大きい北海道と2番目に大きな岩手に、間にある青森県を足した総面積よりも大きな州です。まして、わたしが住んでいたのは随分と田舎の街でしたので、のんびりと広々したところ。実際の広さなどは関係ないのでしょう。
とにかく海のあるところに行った方がいい気がします。……サーフィンをするとか、夏はビーチでとか、海人間というわけでは全くないのですが。
なんにせよ、それがわかったとなればオハイオに長居は無用です。とっとと海あり州に行かなければ。
当時は大学生でしたので、もともと田舎のこじんまりした私立大学でイメージをつかんだら、少し大きな街の州立大学に転学しよう考えていたこともあり、「海あり州」を基軸のひとつにして次の大学を探しました。
そして晴れて海あり州へと引っ越しましたとさ。めでたし、めでたし。
人生最初で最後の海なし土地のはなしでした。