ずるい【狡い】
自分の利益を得たりするために、要領よく振る舞うさま。また、そういう性質であるさま。悪賢い。こすい。
ばか【馬鹿】
知能が劣り愚かなこと。社会的な常識にひどく欠けていること。つまらないこと。無益なこと。
ずるいとか、バカなとか、自分の中にそんな性質があるというのは、大人になった今でも残念に思いますが、まちがいなくそのようです。(ひらがなで「まちがいなくそのようです」と書くと「まちがいなくくそのようです」と読めてこわい。でもハズレてもいないから切ない)
学年が上がるにつれ、ずるさの要領はよくなり、ばかさに関してはよりバレにくい方向へと進んでいきました。バレたら「なんでそんなバカなことをしたんだろう」というものばかりなのに、ほんと始末が悪いなあと思います。
高校のころのある夏休みのこと、小学校のころのように自由研究や日記を書く必要はないものの、教科によっては宿題を出す先生方もいました。
その夏、わたしはアメリカにホームステイに行っていました。もちろんホームステイと夏休みの宿題はまったく関係ありません。
帰国し、夏休みがもう終わるというのにまっさらに残っている宿題。宿題なんてやりたくない。読書感想文も書きたくないし、物理か化学は覚えていませんがどちらかの問題集、英語も何かあったような気がします。
こんな時、どうしたらいいのでしょう。
どうしたらもこうしたらもないので宿題をやる。
宿題を提出しない。
普通に考えたらひとつめでしょうか。提出しないというのはさすがにアレですよね。叱られるとかそういう問題ではなく、自分の成績にダイレクトにひびきます。
まだ書いていなかったかもしれませんが、わたしは小心者でもあります。(小心者なのにずるいってちょっとアレですが)高校生にもなって宿題を提出しないとかビクビクしてできません。
でも宿題なんてやりたくない。読書感想文も、問題集も、英語の何かもやりたくない。いよいよピンチ。宿題を出さずとも、厄介なことにならないためにはどうしたらいいの。
考えつきました。「先生に正直に言ってみる」
「この夏休みはホームステイに行っており、ずっとアメリカにいたため(「ずっと」ではない)宿題ができず、提出できませんがどうしたらいいですか」
ぬけぬけとよくもまあ、呆れちゃいます。どの口が言うんでしょうね。宿題を出した教師の元を順番に訪れ、ずうずうしくも「どうしたらいいですか」と言い放つ。おそるべし。
どうしてそうなったのかは覚えていないのですが、この戦法は結果として大当たりでした。この年のわたしの宿題はないことになりました。
これで味をしめたわたし。この戦法は残りの10代の間、ちょいちょい登場します。
公募推薦受験のための移動日を1日だけ早めに申請し、マラソン大会をお休みしたこともありました。マラソンとか大きらい。その前の年にはマラソン大嫌いフレンズとともに、ダラダラと走りそれはそれで少しイヤな気分になったので、もう出たくない。
地元や東京の学校だったらこうはいかなかったと思いますが、受験先が遠く離れた関西だったこともあり、教師も手助けもしてくれませんが、言われるがまま受け入れてくれて、まったく問題ありませんでした。
その後大学進学でアメリカへ行ったのですが、1年生の時に試験で手の回らない教科の教授のところへ行き「英語が不安なので英和辞書の持ち込みを許可してください」と許可を得た英和辞書を、なぜか電子辞書ではなく紙の辞書を持ち込み、試験を受けさせてもらったこともありました。ずるいし、ずうずうしい。
同じようにちょいちょいずるをしながら、バカで浅はかなことを繰り返している人って他にもいるのでしょうか。程度の差こそあれ、似たようなことをしているのでしょうか。個人的にこんなことを堂々と?こそこそ?している人はまわりにいなかったように思いますが、どうなのかしら。
……気になります。