行ってみたい国の上位にいたポルトガル。空港に着いた時から顔が緩みっぱなしです。
ポルトガルと言って思い浮かぶ心のベストテン第1位は、何と言ってもユーラシア大陸の西の果てロカ岬。沢木耕太郎の「深夜特急」です。Onde a terra acaba e o mar começa(ここに地が終わり海が始まる)、あの詩が刻まれた石碑を見たい。あの本を読み、ドラマを見てロカ岬に立って沈む夕日を見てきた旅人ブログ、いくつも読みました。わたしも立ちたい、そして大西洋沈む夕日を見たい。
やっとやって来たポルトガル。できることなら2、3ヶ月、いや2、3年滞在したい。悲しいかな、今回の滞在はリスボンに2日、ポルトに2日という超短期。ロカ岬まで足を延ばすとなるとリスボンは1日……。
とりあえずチェックインを済ませ一息つきながら、ロカ岬を断念するか、ベストテン1位を決行を貫くか、ベットに転がって悩みます。
いつもなら1都市でのんびりふらふらするのですが、わたしの心のベストテン第2位、第3位、第4位がリスボンとポルトの本屋に行くことでしたので、どちらも譲りたくはありませんが、今回絶対に行きたい本屋さんだけで3つもあるので、ロカ岬は次回(があることを祈って)にまわし、本屋にいざ。
リスボンの世界で一番古い本屋さん:ベルトラン書店(Livraria Bertrand)
1732年創業の、世界で一番古い現役の書店としてギネスにも認定されている本屋さん。1755年のリスボン大地震、9人の王が変わり、王の暗殺、王政の終焉、革命、2つの大戦、たくさんの総理、EUの調印などを見続けている本屋さんはなかなかないのではないでしょうか。
書店の中に写真があったり、入り口のギネス認定マークでそれとわかるものの、気にしなければいたって普通の書店。
普通の本が置かれてあり、一番奥はカフェ、その手前はキッズといった配置もよくある街の本屋さんでした。
1732年創業か……んん?日本はもっと古いのでは?
京都下京区にある「永田文昌堂(ながたぶんしょうどう)」の創業が江戸時代のはじめのようです。こちらも現在も事業を行なっているようですが、現在はお得意先のお寺の仏教書を専門に扱う出版社になっているようです。なるほど、本屋ではない。
この本屋に来てみたいと思ったきっかけは、以前読んだ世界の書店をめぐる旅エッセイ本「書店(原題:Librerías)」です。日本語翻訳版「邦題:世界の書店を旅する」が少し前に出版されたよう。
世界各国の書店、その店に通う作家、書店が登場する映画などが盛りだくさんで、読むとますますいろいろな街の本屋に行きたくなる一冊です。
世界で一番古い本屋さんでした。