熊本がくまモン1本で推してくるように、広島がカープ1本で推してくるように、山口の推しといえばこちら。
ふぐ。もとい、ふく。
左上から順番に、山口県警のキャラクター「ふくまるくん」。大人のジュース「とらふくのひれ酒」、子どものおやつには「ふくサブレ」。お店の「ふく看板」。はいっていきーね→満席にツッコミをいれたくなる。下水の「ふくマンホール」。市場近くには「ふくを素手で捕まえるシュールな銅像」。1895年日清講和条約を締結した下関の春帆楼には「ふくの碑」、そしてラストは世界にアピール「世界一のふくの像」、もはやクジラ。ふく一色。
今回夫が下関で一番楽しみにしていたところが日清講和条約を調印した記念館なんですって。わたしにはやや渋ぶすぎるチョイス。そこですか。どこも激混みの快晴の連休にもかかわらず、ひっそっりとした下関の料亭春帆楼の敷地にある日清講和条約記念館。いやー静かでした。なんならお隣のお寺さんの平家の墓地の隣にある「耳なし芳一」の像の方が大盛況でした。
男前な芳一。耳はない。
メインの観光地の合間に、ちょいちょいいろんな面白いものを挟んでくる下関。床屋の発祥地とかね。ノルスタルジックな街並み、レトロな洋館なんかもたくさんあります。
ああ、ステキ。すると。
バァーンて。しかもこんなステキな洋館の貴重なガラスにセロハンテープでベタ貼りってすごい。…と思っていましたが、確かに何度も「バァーン」てなっていました。前日の強風の名残でしょうか。
私が一番気に入った場所はこちら。下関のランドマークふくタワーならぬ「ゆめタワー」の展望台から眼下に広がる下関の街で、ムンムンとその存在感を主張しているその場所。
すごいムンムンなんですが…あれ?写真だとあんまりムンムンしてない?実際はこの距離から見ていても、あそこだけ違う時間軸が流れているような、そんな不思議な空気を発しているんです。もう、ワクワクが止まりません。さっそく見に行きます。
どどどどーん。
こちらは「下関第一ビルディング」戦後復興の象徴として建てられたビルなんだそうです。当時は珍しい、でも今はもう動かない、エレベーターがある建物。まだまだ現役で、いろんなテナントが入っていますが、なかなか通好みなセレクトのテナントだったりもします。「お悩みごと相談処」とか「興信所」とかね。メインエントランスは木の扉。階段踊り場のガラス越しに映る植木鉢たちが、生活感を感じます。入り口の電話ボックスの上にも、安定のふく。
街の真ん中にこんなかっこいいところがあるなんて。しかも現役。まだ下関の何も見ていないに等しいくらいなのに、この破壊力。ときめかされました。恐るべし、下関。