好きなことのひとつ、端っこ。
端っこに行く、歩く、走る、立つ。例えば地図で思い浮かべることのできる、下の地図に書いたピンクの矢印のようなポイントに実際に立って(ああ、わたしは今地図のあの場所に立っているんだ)と実感するのが楽しい。
北海道の旅では、思う存分端っこを満喫してきました。
地図のふたつ目のピンクの矢印は野付半島。このちょろっとほっそいフックみたいなところ、どうなっているのかずっと気になっていました。ネイチャーセンターにあった航空写真でみるとこんな感じ。
行ってみると、こんな映画のワンシーンのような不思議な光景が広がっていました。実際に多くのPVやCMなどの撮影が、ここ納沙布岬行われているそう。宮崎あおいのearth music & ecologyとかそれっぽいやついろいろ。
写真は「ナラワラ」、ナラの木の原生林だったのですが、地盤沈下による海水の侵食で土地自体が死にかけているんだそうです。同様に半島の先の方にはトドマツの原生林の墓場になっている「トドワラ」という場所も。
幻想的、寂寥感、今にも崩れていきそうなギリギリのキワにいる、そんな危うい感じにしびれました。このどんより、時に荒々しい暴風雨となる天気のせいかも。世界の最南端、アルゼンチンのフエゴ島「世界の終わり/fin del mundo」とも呼ばれるティエラ・デル・フエゴ国立公園の風景がよぎりました。
台風の影響で「青い空・白い雲・北海道」的な、どこかの青春CMのような光景に出会いませんでしたが、いい意味での期待はずれといいますか、切ないくらいの「北感」「端っこ感」をヒシと体感できました。
本土最東端の納沙布岬(地図下の矢印)も、押し寄せてくる激しい白波が、真夏に見えるはずのない流氷を見るようでした。晴れていれば、ここから北方領土、国後島も見えたはず。全部が灰色すぎて何も見えなかったけど。
東の端っこでお会いしたネコ。
道東の旅は、公共交通機関ではアクセスしづらいこともあり(それ込みでローカルバスや汽車を楽しむ旅もありだけど)、ツアーにはいる以外では、キャンピングカー、乗用車、バイク、自転車などなど、全国各地から夏の道東に乗り込んできていました。野付半島ではリヤカーを引いている徒歩旅というツワモノにも遭遇しました。いろんな旅の形があるんですね。
じらっと長いゆるやかな下り坂を走っていた時、反対車線の上り坂の自転車いて、それをバイクが抜かす時に、ライダーたちがチャリダーに親指を立てて「いいね」サインを出してから抜かすのもよく見かけました。へばりそうな上り坂、「いいね」がチャリダーのあとひとふんばりに変わるかも、と思いながら眺めていました。
ああ、端っこドライブ。楽しかったなあ。