11月のこと。今月はお誕生日だからね、という建前で東京で1、2を誇ると言われる鰻屋さん「尾花」に行ってきました。南千住の駅から線路沿いに歩いてすぐ、食べログでも4点を超える脅威のスコア。食べログ4点というのは、掲載84万店舗以上の中のTOP500。さらにはミシュランでも星付き★。荒川の星、乞うご期待。
11月としては暖かい、お天気の良い土曜日。到着すると長蛇の列。「わざわざ」「並んで」食べたいお店ってすごいですねえ。ほどなくするとお店の方が出てきて、数の把握と兼ねて、鰻の焼き分だけ注文を取っていきます。12時15分頃に到着した我らはお昼の回の3順目とのこと。お散歩に出ました。(前回のブログ)
11時30分開店で、この日は1時の時点でお昼の部のシャッターが降りました。シャッター後もいらっしゃるお客さん。残念そうに帰って行かれたり、名残惜しそうに入り口のメニューを確認したり。
並んでいる間に焼き場を隠し撮り。写っている方は漬け担当のようです。真ん中らへんに小さく見えている団扇が焼き担当。気分高まります。
2時をまわった頃にやっと名前が呼ばれました。店内は広いお座敷に2名用座卓が並んでいます。4人組の方には2つ、5人組には3つと座卓をつければいいただけですので、最小限の空きでお客様を回転させられるようになっています。
お座敷の写真はお控えくださいとのこと。自分の周り、お料理の写真はOKです。近くにはじいちゃん瓶ビール、大学生らしき孫男子は瓶のオレンジジュースの可愛らしい二人組もいました。ちなみにじいちゃんはうな重(小)、大学生孫はうな重(大)をお召し上がりになっていました。じいちゃんに感謝して食べなさいね、と心の中で思いながら眺めておりました。
おしぼり、お茶ときて、ほどなくしてお新香が出てくると「間もなく鰻がやってきます」の合図だそうです。間もなくご対面です。いざ。
じゃじゃじゃん。開けてみます。
尾花の印のお重にお光が……ってそれはわたしのさじ加減でした。では。
明治初期に創業、末期に南千住に移転してきた名店、しかと堪能させていただこうと思います。鰻は養殖物、強火の遠火で火を入れた鰻は、焦げが少ないつやつやの美しいお姿。いろいろな食レポに散見された「ふわふわ」の文字、まさにふわふわでした。
これが東京屈指の鰻職人のお点前なんですね。おいしいいいいいい。今までは、焼き目の強い、ぎゅっとした焼きが好みだと思っていたのですが、肉厚のふわふわも美味しい。
最後に、ご覧になります?2016年11月。
隣に座っていた殿方(推定70代後半)、うざく(鰻ときゅうりの酢の物)とう巻き(鰻を芯にしただし巻き)をアテにぐいぐい飲み、茶碗蒸しで休憩して、うな重の大をペロリと召し上がり、お土産用の蒲焼もお買い上げされていました。お元気だわあ、と横目でチラ見すると、見事すぎる福耳。鰻を噛むたびに、ふくふくしい福耳がふるふる揺れていらっしゃいました。こんな立派な福耳、初めて見ます。あやかりたい。
幸せな鰻でした。