ひつじ泥棒2

Who stole my sheep?

スパゲティーが食べたいだけなのに

 

月に1度か2度、ランチの時に無性にスパゲティーが食べたくなることがあります。パスタならなんでも良いわけではなく、スパゲティー限定。今日はそんなスパゲティーが食べたいデー。

 

近所にスパゲティーの専門店があのですが、ここは先月「もう行かない宣言」をしたお店。ちょっと狭いのですが、美味しいスパゲティーを出すお店で、ランチタイムにぴったりです。なぜもう行かないと決めたのか。

 

なぜなら、メニューに納豆スパゲティーがあるのです。めんたい納豆スパゲティーとか、おろし納豆スパゲッティーとか、青じそ納豆スパゲティーとか、とか、とか。

 

わたし、残念なことに納豆がダメなのです。食べたことはないので味はわかりませんが、まず匂いがまったくダメなのです。納豆好きの皆さんには何の偏見もないですし、夫も納豆大好きですし、彼は家でも食べています。ただ、わたしがひっそりと(でも確固として)納豆が苦手なだけなのです。

 

そして、ここのパスタ屋さんに行くと、かなりの確率で両脇納豆スパゲティーのお客様に挟まれるのです。お店に行くたびに両脇納豆スパゲティー。納豆が来たからといって、お店の方に席を変えて欲しいと言うのもはばかられますし、ひたすら納豆の人が食べ終わっていなくなってくれるまで、身を縮こめ、口呼吸で耐えるだけです。

 

納豆の匂いに触れないようこれだけ気をつけていてもなお、ふと油断した瞬間を狙って、お店のドアが開いた時などに、外からの風とともに納豆の香りがぶわわわっと直撃してきます。

 

両脇納豆に囲まれるなんて、そうそうないでしょうと思うのですが、昨年3回続けて両脇納豆だったため、お店から足が遠のいていました。

 

そろそろ大丈夫だろうと、先月久しぶりにお店に行きました。ご想像の通り、やはり両脇を納豆で固められました。皆さん美味しそうにお召し上がりになっていました。

 

残念ではありますが、今日で最後にしよう。……そう思って、口呼吸しながら最後のスパゲティー(わたしはミートソース)を食べ、心の中で前出のもう来ない宣言をしたのでした。

 

そして今日のこと。どうしてもスパゲティーが食べたくなりました。「行っちゃう?」との思いがよぎらなかったわけではないのですが、いやいや、ここでまた両脇納豆なんてことになったら、今度こそ立ち上がれなくなるかもしれません。そんなわけで、別のスパゲティーを出すチェーン店に行きました。ここに納豆スパゲティーがないことは知っています。正直なところ、好みのスパゲティではないのですが、今日はどうしてもスパゲティーが食べたい。背に腹は代えられません。

 

なななんと、納豆スパゲティー登場!なんてことはもちろんなく、心穏やかにミートソースを注文しました。ほどなくしてわたしのミートソースが運ばれてきた頃、20代くらいの可愛らしいカップルが隣に座りました。若くて可愛いって、ステキです。

 

しばらくすると先に男性のスパゲティーが運ばれてきました。先に食べていていいよと彼女に促され、彼はスパゲティーに手をつけました。おもむろにフォークをスパゲティーパスタにからめ、口に運びます。

 

ずずずずずずずずずずるうううううっっっ

 

江戸っ子じいさんがざるそばをすするよりも派手な音。ふふふ。若いってすごい。この時はまだ微笑ましくそんなことを思っていたわたし。甘かった。次の瞬間です。

 

ンムチャッ、ペチャツ、ンムチャッ、ペチャツ、ンムチャッ、ペチャツ、ンムチャッ、ペチャツ、ンムチャッ、ペチャツ、ンムチャッ、ペチャツ、ンムチャッ、ペチャツ、ンムチャッ、ペチャツ。ゴックン。

 

そうくる?騒音並みのすすり音を超える、衝撃的な咀嚼音。生まれて初めて聞く激しい咀嚼音に固まっている間に、彼女のスパゲティーも運ばれてきました。彼氏(または友人)がくりなすこの音、さすがに許さないでしょう。チラッと彼女を盗み見用とすると。

 

ずずずずずずずずずずるううううううっっっ

 

まさかの彼女。うそ〜?そして、ご想像の通りのド派手な音が。

 

ンムチャッ、ペチャツ、ンムチャッ、ペチャツ、ンムチャッ、ペチャツ、ンムチャッ、ペチャツ、ンムチャッ、ペチャツ、ンムチャッ、ペチャツ、ンムチャッ、ペチャツ、ンムチャッ、ペチャツ。ゴックン。

 

遠くの席の人も気になってチラッチラッと首を伸ばして確認するほどのボリュームです。いや〜……。

 

すすり音はいい。いやよくない。でもこの「ンムチャッ、ペチャツ。ゴックン。」は……、コメントし難いです。

 

わたしの修行が足りないのでしょうか。月に1回、ランチにひっそりとスパゲティーを食べたいだけなんです。いやいやいや。

 

 

 本日のおやつ

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