六本木ヒルズの森美術館で開催中の「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」に行ってきました。
レアンドロ・エルリッヒ(Leandoro Erlich)はアルゼンチン、ブエノスアイレス出身のアーティスト。アルゼンチンものといえば見ておきたい。
作品を見たり、覗いたり、歩いたり、さわったり、入ったり。大人も子供も楽しめる展覧会でした。三脚やフラッシュ禁止など、一定の縛りはあるものの、写真なども取り放題。ブログもSNSもOKです。でも念のため…
*本ブログで使用する写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。作家名:レアンドロ・エルリッヒ
展示作品の一つで参加型のインスタレーション作品「建物」。上の写真のように建物の壁に人がぶら下がっているように見えますが、実際はこんな風。
建物の壁が描かれた絵の上に寝転んで、角度のついたミラーに映る壁を撮影している感じになっています。参加するとこんな感じ。
宣材用写真の倍くらいの人混み。ちょっと混みすぎ。かなり真剣にぶら下がっている演技をしているお姉さんがいたり、壁から落ちてる風な演技のおじさんがいたり、ただただミラーに映る自分を見てはしゃぐコンセプトをまったく理解していない微笑ましいキッズがいたり、ちょっとしたカオスっぷりもまた楽しかったです。
これ、わたしのお気に入りです。電車の車窓に見立てたビデオインスタレーション作品。座って窓の外を眺めていると東京の街が外に見えます、そして気がつくとパリの街、そして…と車窓から流れてくる世界の街角。目に見えているのはここまでなのですが、見ているうちに生活のこと、過去や未来、旅行で行ったどこかの街、思い出などなど、いろいろな記憶や映像や思考が刺激される不思議な気分になりました。
ぱっと見た時、入った瞬間は何がどうおもしろいのか、トリックはあるのか、すぐにはわからないのですが、その場にしばらくいるといろいろと見えてきて、おどろいたり、笑ったり、鼻笑いしたり。そんな感じが楽しいエルリッヒの作品たちでした。
上の「美容院」、鏡前の写真ではないんです。鏡に映って見えるように、手前の部屋と奥の部屋を鏡写しになるよう物が配置されています。えーそういうこと?わー、あ、ほんとだー。とじわじわわかっていくのが楽しい。
知覚や認知をうまく扱っているけれど科学的ではなく、どこかに手作りな抜けた感じあり、シニカルで、ユーモアがあって、ひねりもあって、まあなんとも楽しく大満喫してきました。
覗きまくるひとたち。作品を見ることと同じくらい、見る人たちを見るのもおもしろいです。
あらかじめぴあでチケットを買うと、直接美術館で購入するよりも300円安くなります。「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」来年4月1日まで。