ひつじ泥棒2

Who stole my sheep?

はじめての上海飯は香港飯、チャーチャンテーン

 

上海に来て一番最初のごはん。お昼ごはんには遅く、夜ごはんにはまだ早い時間だったのですが、何かを食べたい。

何が食べたい?なんでもいい。というやりとりが嫌いな方も多いと思いますが、この日はものすごく疲れていてまさにそんな気分でした。

私生活において、負荷のまったくないのんびり気ままな毎日を過ごしているので、ストレス耐性がまったくなく、わずかな出来事がすごいストレスに感じたりします。要は引っ越しがいやだったという話。

引っ越しの手配や、諸処の手続きを済ませたりと、わたしの平穏な日常に馴染まない異質な出来事が次々と起こる日々を過ごし、とても疲れていました。

 

引っ越し疲れもろもろの心理的状態ゆえの「何が食べたい?なんでもいい」でした。初めて来た街での、最初のごはん。これが旅行だったら、少なからずワクワクしながらどうしようかと考えます。

しかし、期間はわかりませんが、数年は滞在するであろう場所。まだこの街がどういう感じなのかよくわからない、自分の中の街に対するイメージが無の状態です。ワクワクというより「さて、シャンハイさんはいかがなものかしら見さしていただきましょうか」と、少し意地の悪い小姑のような気持ちもなきにしもあらず。

 

そんな気分で何を食べたいか。やはり中華料理か。本場中華が想像以上に本場過ぎたらどうしよう。でも食べ慣れない味を楽しむ心の余裕はなく、初日からお腹痛くなったりいろいろ大丈夫かしら。いっそのこと世界のマックか。マックなら少なくとも不思議ではないはず。……はず? 

 

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マックがゆ

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炒り卵マック?

 

なんか思ってたのと違う。マックといえど油断はならない。欧米系でもりっと食べたい気分でもなく、やっぱりアジアか。あまりお米が得意ではないので日本食もいまひとつ。「なんでもいい」と言う人を信用してはいけないです。まったくなんでもよくない人。クッキーでも買って、お部屋でコーヒーとクッキーがいいかも。

……とすっかりくじけかけてしまっていたところ、目に飛び込んで来た「港式」と 「茶餐廳」の文字。中国で使用されている簡体字の中に、一際画数の多い繁体字。これはもしや。 

 

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茶餐廳(チャーチャンテーン)!

香港のスタイルのファミレス、茶餐廳(チャーチャンテーン)です。常時100種類くらいのメニューがあるカフェレストラン。オーソドックスなサンドイッチからライス、ヌードル、謎な食べ物や飲み物もなんでもあるはず!

 

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定番の出前一丁だってある!(29番)

東京飯田橋にある茶餐廳(チャーチャーテン)、贊記茶餐廳(チャンキチャチャテン)を思い出します。電車で行ける癒しの香港スポットでした。

 

余談ですが上のメニューに「¥44」などエンマークが付いていますが、円(yen)ではなく人民元(yuen/RMB)です。「44円って激安!天国!」と一瞬舞い上がりましたが、1 RMB = 17 YENで計算すると748円と特にときめくには値しない値段設定でした。 

whostolemysheep.hatenablog.com

 

茶餐廳(チャーチャーテン)なら、ユニークなメニューももちろんありますが、疲れた気持ちに優しい、ある程度味の予想のつくメニューにありつけます。

万が一それが美味しくなかったとしても(そもそもすごく美味しいものを期待するタイプのお店ではありません)香港式という名目上「上海ちょっとごはんいまいちかも」などという不名誉な上海評価を与えることもなく、 ココロの安心・健康にピッタリのチョイス。

 

わたしはフライドヌードルにマッシュルームとキクラゲと野菜を炒めたもの。夫はパラパラ卵チャーハンに野菜やエビのあんかけのようなものをのせた雲南省の定番料理的な説明の書いてあったものを頼みました。

注文をした時にいろいろ言われましたが、まったくわかりませんでした。が、大した問題ではありません。きっと。いつの日か、この中国語が「意味のある言葉」として聞こえてくる日がくるのでしょうか。 

 

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見た目通りの味に大満足
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意図せずレトロなグッズたち

 

大衆食堂な雰囲気、昭和30〜40年代風のレトロなグッズたち、意表をついてこないお家ご飯てきな味付け、どれをとっても疲れでやさぐれていたココロとカラダを落ち着けるのに十分な作用です。

すっかり満たされた余裕のある気分になると、せっかくの上海最初の食事なんだから上海らしいものでも、と思わなくもありませんが、思い出せばアルゼンチン最後の日の食事はインド料理でした。

 

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お静かに・痰を吐き出してはいけません(!?)

 

ワクワク部分も満たされ、いろいろと楽しみになってきました。