ひつじ泥棒2

Who stole my sheep?

ちまめ観察記

 

我が家のクローゼット、スライド式の扉です。

1枚のサイズが、押入れのふすま+天袋のふすまサイズのアルミサッシの窓ような扉です。

そのうちの1枚、ものすごく滑りがよいのです。凶器的なスライダーとなるその扉。なんども指を持っていかれそうになっていて、いつかはやってしまうのではと思っていましたが、ついにその時が。やってしまいました。

ある日の朝のこと。それは一瞬の出来事でした。いつも気をつけて閉めるようにしていたはずですが、つい軽く、だけれどもちょっとだけ勢いよく扉に手がかかってしまいました。その瞬間、左手親指、外側の爪の先側左端の指の肉がもっていかれました。

ギャーーーーーー、という心の中の声。

い、いった。イタイです。これ指の先っぽがちぎれたのではないでしょうか。

指はちぎれていませんでした。が、ちぎれていてもおかしくない痛み。

半目で指がついていることを確認し、薄目のまま指先を見てみると、ちょっと大きめのイチゴのつぶつぶ、種のようなものが、爪の2ミリほど横についていました。

このつぶは……、ちまめ?

じんじんじんじん。じんじんじんする真っ赤なつぶ。間違いなくちまめ(血豆)です。イチゴのつぶつぶほどではありますが、猛烈にじんじんしています。

真っ赤だったつぶ、翌日には真っ黒になっていました。ほくろみたい。じんじん。

その次の日にはじんじんは治り、ちょっと大きめのほくろのようなものがわたしの左親指の爪の脇に現れました。

次の日も、また次の日も、ずっと居座り続けている親指の先っぽの方にあるほくろのようなちまめ。これ、いつまであるのでしょう。

ちまめ、と言っても水ぶくれタイプではなく、ほくろタイプ。まさか、これほくろになってしまうのでは?というか、もうほくろになってたりして。

2週間が過ぎてもそこにいるほくろ?ちまめ?どうしましょう。

そこからさらに3日ほど経ったときに変化が訪れました。黒かった色が、再び赤っぽく、そして色がうすくなったのです。驚いたことには、大きさが半分に。

次の日にはさらに薄く小さく、その次の日にはよく見ないとそこにちまめが存在していたことがわからないほどに薄ーく、小ーさくなり、そして消えていきました。

この半月ほどの間、自分の指先を見続けてきました。結果、ちまめは約20日くらいで消えて行きました。できるのは一瞬。その後ほくろのように居続け、最後は2日間かけてあとかたもなく消えていきました。

爪が伸びたり、髪が伸びたり、ちまめが治癒したり。わたしも生きているんだなとあらためて実感した出来事でした。

 

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ちまめの経過を写真に撮る気にはさすがになりませんでした。