お彼岸の中日、春彼岸の法要とお墓参りに行ったときのタクシーの話。
3月といえば、年末年始に次ぐタクシー業界のかきいれ時なわけですが、今年はといえば、新型コロナウイルス、自粛で外に出る人がいない、タクシーの客がいない、タクシー運転手大変、もう1ヶ月続いたら本当にやばい……という状況のようです。
例年でしたら年度末は、地下鉄最終近くになるとなかなかタクシーがつかまえることができずなんてことも多かったのですが、今は写真のように、ピークタイムでも昼間のオフピーク時のように客待ちのタクシーがたまっているそうです。
収入は閑散期の半分だとか。特に空港界隈を主戦場にしているタクシーは減便につぐ減便で、さらに厳しい状況のようです。
この日もタクシーに乗ると、運転手さんが待っていたかのように話し始めました。
ノンストップで新型コロナウイルス関連の話。一般的な話題から、人の出の話、売り上げの話、中小企業への助成金や融資の話などなど。
「いやあ、わだしんどこが安倍首相でも、タグシー業界にだけは貸さねっすけどね」
「ほいだって、タグシーんどこさ貸したって、返ってこねっちゃおん、あだりまえだっちゃあ」
「ほれ、タグシーんどこは土地もみんな担保さ入っでるし、こんな車なんていぐらにもなんねっちゃ。タダでくれでやるったっでいらねっちゃおん」
まあ大きな声で元気よく延々と話されていました。(上記の運転手の話の内容、だいたいはご理解いただけますでしょうか。)
おまけに聞いてもいないのに、宮城県の感染者(クルーズ船の乗客1名)についての情報まで、どんな人で、年齢はいくつ、どこで働いていて、なんて話まで。おそるべしタクシー情報網を見せつけられました。
その時点でわたしにとって怖いのはウイルスではなくタクシーの情報網でしたが、適当に相槌を打ちつつ、運転手の難解な日本語を必死に聞いていると、
「やっぱサウナと原発はこえっちゃー」
サウナと原発???
わたしは何かを聞き逃してたのでしょうか?話を見失ってしまった気がします。
「いやあ、サウナのせいでほんっどつらいっちゃわ」
???
もしや……
話の終盤、いつの間にか全てのコロナは全てサウナに変換されておりました。
運転手さん、その後気がついたかしら。