ほおっておくとひと月でも、許されればもっとでもクツを履かずに過ごしたい、そっちよりの日常を好むほうですが、非日常においてはクツを履いて、飛行機に乗って遠くへ行きたい、どこか遠くへ行きたい。
一番わたしの遠くへ行きたいリストの国内版、常連の中のトップに君臨し続けた「波照間島」に行ってきたはなし。
今年の1月のことですが、沖縄本島を回っていたのですが、その後の予定では一旦上海に戻り次の旅行へと思っていたのですが、上海には戻らず石垣島にやってきました。
この地図をご覧いただければ分かる通り、石垣まで来てしまえばあとはその日の気分でいろいろな島に行き放題。「島」と名のつくところには足を踏み入れたい欲求を抑えることのできない性質です。その中でも日本の最西端与那国島と、日本の最南端波照間島は端っこ好きにはあらがうことのできない魅力の島たちに行くこともできます。
数ある島の中でも「船でしか行くことができない」上に、外海のため天候や波の影響を受けやすく唯一の交通手段の船ですら欠航率が高く、ちょっと検索すると「揺れが酷く骨折」「史上最悪の船酔い」などと軟弱な旅人を怯えさせるには十分な言葉が並ぶ、ハードシップのより高い島がこそが波照間島です。予定に制限されることのない今こそ波照間島に行かずしてどこへ行く。
とはいえ、1、2月の波照間島線は欠航率が5割〜6割というではありませんか。仮に運行したとしても、激しい船酔いに耐えてまで行きたいかと問われると、これまた勇気がくじかれます。そんなわけで石垣島に着いてからは天気と波の高さをチェックする日々。北風が強く、波の高い日がしばらく続いたのですが、ついに時きたる。
船酔いしたらどうしよう、そんな心配をよそに離岸する前に眠りに落ち、着岸ぎりぎりのところで目を覚ましました。あっという間。そうでした、わたし乗り物に乗るとわりとすぐ寝てしまうタイプでした。
港には民宿やレンタルバイク・自転車屋から迎えの人が来ていました。そのうちのひとつ「レンタルクマノミ」のおじさんに声をかけると、予約なくてもだいじょうぶとのことで(気候の良い時期はもちろん予約した方がよいでしょう)電動自転車を借りることに。
本当はのんびり泊まって南十字星も見たかったのですが、それはまた次に残しておこうと思います。
サトウキビ畑、シーズンオフなのにびっくりするくらいキレイなビーチ、ひたすら草を食べるヤギやひと懐っこく鳴いてアピールしてくるヤギ、学校や郵便局や病院など、どこの街にもあるものでも「最南端の」とつくだけでなんだかとってもありがたいもののような気がして、おがみそうになりました。
やっぱり泊まって南十字星を見ようかなと後ろ髪をひかれつつ船に乗ると、あっという間に石垣島に戻っていました。
おまけ:波照間島港にて
今週のお題「遠くへ行きたい」