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マライア・キャリーの "Always Be My Baby"|今週のお題「秋の歌」

 

この秋、かかるとついつい口ずさんでしまう歌は、Mariah Careyマライア・キャリー)の失恋ソング『Always Be My Baby』です。

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MVを見る限り秋ソングです

不定期的にインターネットラジオを聞くターンがあるのですが、今がちょうどそのタイミングのようで、この数週間はiTunesインターネットラジオの「'90s Hits」にあるストリームを順番に聞いています。そこでよくかかるマライア・キャリー

特にマライア・キャリーが好きというわけではないのですが、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代の各年代で、Billboard Hot 100の1位を獲得した史上初のアーティストなので、知っている曲やかかればわかる曲は結構あります。

1990年のデビュー当時、声量、リズム感、音域、プレゼンテーション、比較の対象が思いつかないくらいの圧倒的な歌唱力で世界を驚かせた歌姫マライア。

おまけに歌うだけではなく、ソングライトもする、自分のMVも撮る、おまけにえらいかわいい。当時はわたしも若かったので、かわいいというよりカッコいいと思っていた気がしますが、今改めてMVを見るとひたすらかわいい。

その溢れんばかりの才能とテクニックをド派手に披露するスタイルのR&Bシンガーで「世界よ、どうだわたしの歌を聴くがよい」とばかりのパフォーマンスだったのですが、何年も聞いていると(当時のアメリカでは毎日どこかでマライアがかかっていた)、お腹いっぱいになるものです。

あの年で、あの声で、テクニカルに表現でできないことはもうないだろうと思っていたし、さすがにやや飽きたと思っていた彼女から出てきたのが、1995年にリリースされたアルバム『Daydream』から翌年シングルとして発売された『Always Be My Baby』。

「ダーリン」とか「ビーマイベイビー」なんてラブリーでキャッチーなワード満載の、ミディアムテンポの大人可愛い感じの曲です。

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テクニカル的には彼女のそれまでの代表曲ほどのものは詰め込まれていないのですが、すごい人が持っている力の半分くらいで歌うとこんなすごいんだと思う一曲。一流の人は超絶技巧を駆使しなくとも一流なのですね。

キャッチーでポップな可愛いラブソングなのかと思いきや、歌詞を聴くとマライアのかなり個性的な失恋ソングになっています。

他に彼以上の誰がいようかというほど愛した男性にフラれた女性が歌う曲なのですが、悲しみ要素はごくごく控えめで、「別れたいんなら止めないけどわたしたちの愛は永遠よー」「わたししかいないって絶対にあなたもわかるわー」「戻ってくるのも時間の問題よー」と、前向きなのか、イタイのか、えええ?という歌詞です。聞く人やタイミングによって感想が分かれそう。その自信どこから来るの的なぶっ飛び具合が、90年代のフラれ女子の心をお支えしたのでしょうか。

少しのつっこみどころを残しつつ、実力者のいい感じに力の抜けた仕上がりの曲、2021年の秋に聞いても、まったく色褪せることのないかわいい曲です。

と、もっともそうなことを書きましたが、マライア・キャリーのアルバムを1枚も持っていないわたしが、90年代のアメリカのテレビやラジオで流れてくるマライアの曲情報をもとに書いた、ごくごく個人的な感想です。マライアファンの方たちが(ちっ、1枚目のアルバムからもっといろんな曲歌ってるわ、知らないくせにっ)と気分を害してしまったらすみません。

 

今週のお題「秋の歌」