ひつじ泥棒2

Who stole my sheep?

どこもかしこも写真映えする歴史的建物と、スマホを片手に持った美女|蔦屋書店 at 上生新所(コロンビアサークル)

 

昨年11月、上海2店舗目となる蔦屋書店(中国国内では4店舗目)がオープンしたので是非とも行ってみよう!かなと思いつつ、まずは2020年の12月にオープンした上海1号店に行ってきました。

この蔦屋書店は、ほぼ100年前のスペイン建築をリノベーションした建造物です。

古いアパートなど、当時のまま同じ目的で使用されている建造物、美術館や博物館として歴史的価値そのままを見てもらえるようにした古い建造物、歴史的建造物に手を入れて現代の現役商業施設として新たな人生(建物生)を歩むことになった建築物、建物たちの長いヒストリーが、それぞれ違うストーリーを歩んでいるってなんてステキ。

なんといっても、古い建物が大好きな人間にとっては、ちょっとしたごちそうです。

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生まれ変わって2年目、1924年生まれ、ピチピチの98歳です

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クラシカルな書架に、デジタルサイネージ

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98歳感を漂わせるところもあり

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魅力いっぱいの建物そのものを満喫します

かつては駐在アメリカ人の社交場として建てられた2階建の洋館で、建設当時の柱がオブジェのように展示されていたり、館建物の歴史や、この建物がある土地の歴史がわかるプレートなどもあり、まるで博物館。

店内には、名和晃平の作品が飾られていたり、ギャラリーも併設されていて、歩いているだけで、まるで美術館。楽しすぎて3周してしまった。

ガワの次は中身。これだけの建物の魅力にまったく負けていないところが蔦屋の蔦屋っぽいところ。本だけではなく、雑貨や文具など、しかもかなりのステキ路線を取り扱っています。

ここはもしかしたら中川政七商店かしら。(ツタヤです)

日本にある生活雑貨系のセレクトショップでよく見かけるラインナップで、決してお手頃価格ではないのですが、けっこう買っていく人も多いようです。それにしても日本の雑貨たちってカワイイ。

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カワイイといえば、デザイン関連のセクションには
ブリキのおもちゃのコレクションなども

本屋の中身の中の中身といえば、もちろん本。これまたなかなかのおしゃれな品揃え。文学、マンガ、アート、シアター、写真、音楽、映画、建築、歴史、ライフスタイルといった路線を攻めていて、デヴィッド・ボウイの隣に坂本龍一がいたりします。絵本や児童書が充実しているのもポイント高し。

中国や日本をはじめ、世界のステキな本が集まる本屋さん。ステキじゃない路線の本は扱わない主義なのかもしれません(雑誌もステキ系のみで、週刊誌、How to系、学習関連などはなさそう)

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でも彼はいました、もちろん

2階にはレストランもあって「ナポリタン・スパゲティ」とか超日本なメニューもあります。おおおっと眺めていたら、店内からウェイターが出てきて「日本のナポリタンなんちゃら〜」と日本人のわたしに中国語で熱くナポリタンを語り始めたのですが、ひとしきり話したところでわたしが中国語を解さない日本人だと気付いてしまい、お互いえへへと笑って解散。

さて、わたしは1階のカフェでコーヒーを買って読書でもしようかな。

書店にはカフェなどでも読めるように閲覧用の本がたくさんあります。が、わたしはとりあえず今読んでいる本の続きが気になるので、おもむろにマイKindleを取り出してひとりの世界へ。

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紙コップでもアートしてくれる

こんな静かな環境で、お茶をしながら本が読めるって幸せです。

そんな静かな世界の扉をノックする音が聞こえました。<スマホを片手に持った美女>が「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃあ〜」と話しかけています。

先日もブログに書いたところですが、わたしのどこかに「写真撮ります」シールが貼ってあるようで、この美女ももれなくそのシールを見てわたしに話しかけているようです。

彼女もひとしきり喋った後に、わたしが何も理解していないことに気がついたようで、英語に切り替えてくれました。

今回は写真ではなく、動画の撮影依頼。ふふふ

彼女はアート系のコンサルタントをしながら、自分もアーティストとして活動している、華やかな雰囲気の、人懐っこい香港育ちの上海人。動画はVlogTikTok用の素材にするということで、画角やどこまで撮るかなどをみっちりとレクチャーされ、15秒ほどの動画撮影に協力。

しばしの歓談の後、「ちょっとだけ上の階も撮ってきたいから、ちょっとだけバッグとコート見ててもらっていい?ちょっとだけだから」と、一目でわかるハイブランドのバッグとコートをわたしの側に寄せ、トトトトトと馳けて行きました。

いやいや、初対面の外国人のことをそこまで信用していいのか、ちょっと人懐っこすぎやしないでしょうか。でも、わたしは意外と悪い人ではないので、彼女の高級バッグとコートには手を触れず見守っていました。たとえ彼女の言う「ちょっと」が思っていた以上に長かったともしても。

戻ってきた彼女とWeChat(メッセージアプリ)を交換し、本日の撮影ミッションと荷物の見張りを終えました。WeChatのモーメンツに今回の動画がアップされるのを待つことにします。

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建物の裏手、背中に哀愁を漂わせる98歳