「大虹橋ビジネスエリア」は、上海市街地の西側ので虹橋国際空港、高速鉄道のターミナル虹橋駅に隣接する、幕張メッセのような国際的なコンベンションセンターや複合施設など、巨大なハコモノが立ち並ぶエリア。
春節休みの後半だったこともあり、その巨大なビジネスエリアには人の気配がまったくなく、駅直結の商業施設こそ賑わいがあるものの、駅から数分離れると、ひっそりと、人間の活動の雰囲気を感じさせない巨大なビルが並んでいました。そもそも稼働しているのかしら?
ちょっと怖い雰囲気すら感じる、斬新な空っぽ(に見える)ビルの団地。さらに進んだところにあるのが、本日目指す本屋さん。
ジンバオに迎えられた、その正面奥に見えるのが「玻璃宮芸術書店/玻璃宫艺术书局(クリスタル・パレス・アート・ブックストア)」という名前の本屋さんです。文字通り、ガラス張りの宮殿のようなアトリウム。設計事務所は、モダン(というか、斬新というか、奇抜というか・・)な建物が多い、表参道の「GYRE(ジャイル)」を手がけたオランダの建設集団「MVRDV」です。
全面ガラスの巨大な空間、上からも、横からも、サンサンと降り注ぐ陽射し、白い書架。大きな空間に圧倒されるも、上の階にいったり、下の階に戻ったり、棚に並ぶ雑貨や本を眺めながら、ぐるぐる回っているうちに、だんだん落ち着いてきました。空間に慣れてきたころには、この陽射しで本が日焼けしちゃわないかしらと心配になってきました。
建物は確かにすごいのですが、置かれている本や雑貨は、とりあえずスペースがあったから並べてみました感が否めない・・
この数年のSNS界隈での人気もあってか、盛り上がりを見せる上海の本屋シーン。見た目にも、中身にもぐっとくる本屋もあれば、見掛け倒しの本屋もあるんだなあと・・。ハコが立派なだけに・・、んんん残念。
本離れと言われて久しいのはここ中国も同じ・・なだけに、あの手この手で「行ってみたい本屋づくり」をしているのはわかります。こんな写真見たら、行ってみようかなって思いますもん。実際に来ちゃったし。が、しかし・・・。
本や雑誌、雑貨や文房具、本屋さんの中をぐるぐるしながらワクワクしたり、「欲しいっ、でもどうしよう」と脳内大騒ぎしたり、買うつもりなかったのに買ってしまったーなんていうのこそが本屋の醍醐味。
ハコはいいのを用意したのでハイどうぞ、というわけにはいかないのが本屋さん。「もう1回行ってみたい本屋づくり」をしていかないと生き残りは・・厳しいでしょうねえ。