タイトル通りなのですが、半分廃墟化しているショッピングモールがあるというので、先日廃墟見学に行ってきました。今回の主役「星空広場」という可愛い名前のショッピングモールです。
モールのある場所は、上海市内の西側「虹橋・古北(ホンチャオ・グーベイ)」。虹橋には空港と鉄道のターミナルがあり、古くから別荘地や外国人の高級住宅街として発展したエリア。古北には、50年ほど前から日本人学校もあり、90年代後半に日本領事館が移転してきてからは、さらに日系企業が増え、それに伴い日本人居住者、そして日系のデパート、スーパー、レストランも集まってきて、日本のものならだいたい揃うという一帯です。
地下鉄10号線の水城路(スイチャンルー)駅直結のショッピングモールが半廃墟ってどういうことでしょう。虹橋空港に行く時にこのモールの前を通るので見たことはあるのですが、中に入るのは今回が初めてです。
コロナ感染者や濃厚接触者との接触がないことなどを示すアプリのQRコードを見せエントランスを入ると、ピアニストが廃校になった小学校に取り残されたピアノを弾いている、そんな雰囲気の演奏に迎えられます。演奏は悪くないのですが、いかんせん音が・・。要は音痴なピアノなのです。
長く調律されていないのか、キーもピッチも合っていない(音も2つほど出ない)グランドピアノ。ピアノの下も、ピアノの中もたっぷりとホコリをかぶっています。写真のフロアのカーペットがグレーに見えるのは、黒のカーペットにホコリが溜まっているから。そんなところに置かれた壊れたピアノを淡々と弾き続ける自動演奏が切なく、これから目撃するであろう廃墟のプロローグのようです。
ピアノの調べとともに店内に入ると、吹き抜けのモールの地下にあるアリババグループが運営する次世代オンラインスーパー「盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)」のオフライン店舗がカラフルに輝いています。
わたしもフーマーにはお世話になっています。オンラインでしか買い物をしたことがないですが、実店舗で買う人もいるんだなあとフーマーを眺めながらエスカレーターで上の階へ。
吹き抜けって怖い・・と思いながも、爛々と輝くフーマーに気を取られていて気がつかなかったのですが、フロアがシーンとしています。
各フロア1、2店舗くらいは営業しているものの(猫カフェもあった)、あとは空っぽ。いや、空っぽならまだいいのですが、こんな感じの店舗もありました。
こちらの「星空広場」、2015年オープンのショッピングモールとのこと。言ってもまだ7年で、こんなになるものなのでしょうか。地下鉄直結の駅、2015年オープン、何をどうしたらこんなことになるのでしょう。
上海の(というか中国の?)モールなどは、オープン時も全館、全テナント一斉オープンということはなく、準備のできたところから(?)ぽつぽつ開けていくスタイルのようですが、閉館の際も同様に、ぽつぽつとクローズしていくスタイルなのかもしれません(えー)
廃墟スペースはとことん荒れ果ているのですが、フロア部分の掃除は行き届いていてかなり綺麗に保たれています。半分以上空のショッピングモールをオープンさせているなんて、維持費がとんでもないのじゃないかしら。いっそのこと営業しているお店にお金払ってでも出て言ってもらった方が・・なんて大きなお世話なことを考えるわたし。
市内の中心部にも、廃墟と思われる物件(しかも大物も多い)がちらほら気になる上海。しばらくしたら、その後どうなっているのかまた星空広場観察に行きたいと思います。