ひつじ泥棒2

Who stole my sheep?

3月のリトル・ガール・ブルー

 

ジョン・レノン そして『イマジン』は名曲になった」(アナザーストーリーズ[NHKBSプレミアム])を先日観ました。平和を願って聞いていた『イマジン』と、戦争をやめてほしいと思って聞くのではまったく違う曲に聞こえて、ウクライナで今起こっている戦争を思い、あらためて重い気持ちになってきました。

そんなところに姉から、先日放送された「村上RADIO[特別版]〜戦争をやめさせるための音楽〜」(リンクはセットリストとオンエアでの書き起こしと翻訳。さすが世界中に読者のいる村上春樹、翻訳までつけるなんてTOKYO FM頑張った。それともご本人直々の翻訳かなのかな)を聴きなされとメールがきました。

書き起こしを読みながら、リストにある曲を上から順番にひとつひとつ聴き始め、セットリストの8曲目ドアーズの『名もなき兵士(The Unknown Soldier)』にきたところで、ジム・モリソンの声を聞いたからなのか、頭の中で連想ゲームが始まりました。

戦争のことや、地震のこと、墜落事故、上海のコロナの状況、もともと3月が苦手な月でうつうつとしている、ひたすら冷たい雨続きの天気、そんなことがつながってたどりついたのが今日のタイトルの「リトル・ガール・ブルー」です。

もう少しはしょらずに書けば、ジム・モリソンからいろいろ思ううちに、共に27歳で亡くなり、『リトル・ガール・ブルー(Little Girl Blue)』を唄ったジャニス・ジョプリンにつながったのです。

youtu.be

2016年にジャニス・ジョプリンドキュメンタリー映画が公開されて、そのタイトルが『ジャニス:リトル・ガール・ブルー』。わたしは一昨年の最初の緊急事態宣言のころにはじめて見たのですが、辛くて重くてヒリヒリして、わたしの力量ではちょっとブログに書けないなあと書くのを見送ったんです。コロナの最初の頃で世の中もチリチリしていたし。あの時のざわっとした世間の空気感に似ている上海の今も、「ジム・モリソン」→「ジャニス・ジョプリン」につながるひとつの要因だったのかもしれません。

映画が公開された当時にラジオでこのドキュメンタリーを紹介されていて、そのあたりのエピソードなんかも深く話していたようです。その時の書き起こしがあったので(ネットってすごい)、興味はあるけど今すぐ映画は見れないという方はどうぞ。

miyearnzzlabo.com

『リトル・ガール・ブルー』はもともと1930年代のミュージカルの劇中歌で、1960年代に映画化され、その中でドリス・デイ淡麗グリーンラベルのCM「ケ〜セラ〜セラ〜♪」の人)が唄い、その後何十人ものアーティストにカバーされている曲です。元歌の方はいかにもなミュージカルソングで、もっとのんきな感じですが、ジャニス・ジョプリンのそれはもう全然違う曲。

そして、今回のわたしの脳内連想ツリーの最後、「ジャニス・ジョプリン」→「リトル・ガール・ブルー」→「ニーナ・シモン」、ここまでつながりました。

高校の頃に見たり読んだりした映画や本の登場人物たちがセリフの中で、「ニーナ・シモン」についてや、彼女の歌や曲についてちらっと言及するのを何度も見聞きし、いろんな作家や脚本家たちが作中に登場させるアーティストって誰なんだろうと興味を持ったのがきっかけで聴き始めました。その彼女のファースト・アルバムのタイトルが『リトル・ガール・ブルー』なのです。

人生の怒りも、喜びも、悲しみも、後悔も、優しい気持ちも、許せない思いも、ひとりの人が一生の中で感じるであろうすべての「感」をまるっとぜーんぶ乗っけたような、そんな声を持つニーナ・シモン。彼女のピアノで始まる『リトル・ガール・ブルー』は、ジャニス・ジョプリンのヒリつく感じとは、これまたまったく、全然違う曲。

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ほんとうはこの後に「ニーナ・シモン」→「プリンス」・・・と延々と続いていくのですが、この辺で終わろうと思います。