ひつじ泥棒2

Who stole my sheep?

メガシティ重慶の魅力を歩く

 

重慶は中国のメガシティのひとつ(人口3200万)ではあるけれど、都市の街歩きの観点からはかなり歩きやすい街だと思う。北京や上海級のウルトラ・スーパー・メガシティになると、数日の旅行ではたとえ初心者の観光レベルであっても街の全貌が掴みきれない。

その点重慶は階段と坂さえ考慮にいれればかなり歩きやすいし、メガシティなだけに交通機関がとても便利なので、数日いると雰囲気はつかめる街。だからと言って数日で全部行き尽くしちゃうというほどは小さくなく、とても良い塩梅。機会があればまた行きたい街。きっと次はないのが残念だけど。

via: 小红书@大吃一口苹果🍎

こんな感じで小紅書などのSNSではいろんな街歩きコースをアップしている人がたくさん。上のように文字は最小限で画像で見せるタイプの他、紗が掛かったようなおしゃれ写真とポエム(わたしには読めない漢文だけど)な投稿、細かい情報をつらつらと書き連ねる文学派、表やグラフで理路整然としたプレゼン派、心得的なdos and don'tsを並べる人、パワーワードを並べて勢いで動画へ繋げるタイプなど、ありとあらゆるスタイルがあるので、きっとお好みの重慶攻略ガイドが見つかるはず。

ここは、八一好吃街(バーイーハオチージエ)というド派手なごはんエリア。レストランも食べ歩きも、老舗も最先端もなんでもあるところ。観光起点の中心部なので迷うことなくたどり着けるのも良い。

テラス席(風)のある人気麺館

山城巷(シャンチェンシャン)にも行った。山城巷の城はキャッスルの城ではなくてシティの方。つまりマウンテンシティ。長江沿いの山に建てられた街で、今もここに住んでいる人もいるし、山城歩道というトレイルコースになっていて、廃墟や古い建築物をリノベーションしたカフェが入っていて観光スポットにもなっている。

古い建築物の跡(病院跡地とか)や隠し通路もある

平面でみるとこんな感じだけれど

高低差がなかなかすごいので足腰は大変

重慶には戦時中の防空洞をリノベーションしたレストランなどもある。日中戦争時、重慶は南京から政府(首都)を移してきた場所でもあるため戦争遺構が多くある。戦争は攻撃をした側となっても、された側となっても、どちらにもいいことってない・・っと暗い気持ちになる。日本でも佐世保防空壕跡で営業をしている居酒屋に行ったことがある。

十八梯(シィーバーティ)

十八梯は古い街を再開発し2021年に観光向けにオープンしたところ。お散歩しようと思ってきたのだけれど、駅を出たらけっこう雨が強くなっていたので今回は見送り。

重慶市美術館

旅をしていて雨が降ったら移動にあてるか、美術館か博物館に行って雨宿り。美術館では3月まで地元アーティストの展示をやっていた。内部の階段のデザインも外のデザインと同じだった。

坂マニアや階段マニアはきっと楽しい重慶

トランプ友だち

吊り輪ラクラク開閉できるゴミ捨て場

懐かしのPCRステーション跡 in Chongqing

『夜ふかし』でおなじみの「広場舞」も楽しめた。

はあ、重慶楽しかった。たった3泊で、今日のブログにプラスして、動物園でたくさんのパンダを見て、ミステリアスな白象居マンション、千と千尋の神隠しのモデルと言われる街の一つの洪崖洞、ビルの中に突入していくモノレール、映画のロケ地やフォトジェニックな本屋さんを訪れ、7杯の重慶小麺を食べることができる。

ほんとうはもう少し行きたいところがあった。でも、そのくらいでやめておくのが後味のよい旅の気がする。きっと。負け惜しみか!

 

重慶の街でよく見る謎の赤いフルーツ(買ってもいいけど食べない方がよいと思うので気をつけて)

重慶の街を歩いていると流しのフルーツ売りをよく見かける。2月の中旬過ぎの重慶でとにかくよく見かけたのが謎の赤いフルーツ。

左の赤いフルーツはご存知イチゴ。右がくだんの謎フルーツ。透明感のある、みずみずしい見た目。見え方によってはフルーツが発光しているように見えなくもないし、水風船のように見えなくもない。とはいえ果物売りなので発光水風船を売っているとは考えにくいのでプチトマト(中国でフルーツ扱い)かなにかだろうか。拡大するとトマトっぽくはないのだけど。

このフルーツはなんなんだろう?一度勇気を出してこのフルーツの名前は何というのかを聞いてみたのだけれど、「フルーツ」とか「紅色」とかそのくらいしか聞き取れず、自分の中国語のできなさを恨む。

上海に戻りランゲージエクスチェンジの上海人パートナーに写真を見せて聞いてみた。けれど「わからない」と言う。上海にはない内陸特有のフルーツなのか。

画像検索をしてみると、同じようにこの謎のフルーツを解明しようとしている日本人を含む外国人の投稿に出会った。みなさん「周りの中国人にも聞いてみたけれどわからないと言われた」とのこと。謎は深まるばかり。

重慶の街で売っている、紅色、水果」的な中国語のキーワードで再度検索してみたら、チョコチョコと記事や抖音(中国版TikTok)の動画が出てきた。

動画を見てみるとフルーツの名前が判明した。「紅心果」とか「金西梅」と呼ばれているらしい。数年前のものだけれどネット記事も機械翻訳で読んでみた。

ネットで話題の重慶の赤い果実、半透明で新鮮、25元/500g、美味しくない:次はないな 重庆新晋网红水果,透鲜可爱25元1斤,吃嘴里感觉不对:没下次

重慶に来たばっかりのみなさん、街でこのフルーツを見かけても買わないで! 刚来的外地人,在重庆看见这种水果,千万不要买!

記事には、「漬物のような食感」「新鮮な果物といった感じは全くない」「鼻をつく甘さ」「人工果実?」興味を持って食べてみた人たちの感想が書かれている。

この謎フルーツ、記事によると「新疆ウイグル自治区で採れた生のプルーンの皮をむいて芯を取り、甘味料で漬けたあとに着色料で色をつけた人工加工品の果実」なのだそう。さらには、道端の行商的な果物売りでのみ販売されていて、店舗のある果物屋で探しても見つからないのだそう。

これはフェイクフルーツなので、旅行者のみなさんは好奇心に駆られて買ったり、食べるなら気をつけて的なことが書かれていた。

わわわ。買わなくてよかった。けっこう惹かれたのだけど。珍しいフルーツ(っぽい)だったし。着色料やサッカリンなどの人工甘味料だから、食べたところで急に苦しくなるとかそんなことはないだろうけど、食べてしまったとしたらと想像するとやっぱりちょっとアレだ。

なんにせよ、あの謎フルーツの正体にたどりつけてよかった。

2019年のネット記事で、未だ路上で売っているというのは一定の人(地元民ではない人たち)が買うからなのかな。

 

どうなるかなーな重慶のフォトジェニック系書店|鍾書閣

2013年に上海からスタートしたフォトジェニック系書店のパイオニア「鍾書閣」は上海拠点のデザイン事務所が店舗設計を手がけていた書店チェーンで、中国の大都市を中心に展開している。重慶にも店舗があるということで行ってきた。(上海店についても書いたと思ったんだけれど見つからなかった。ということは書いてないのかな)

鍾書閣のアイコン的な幻想的なデザインがかっこいい。

他にもキッズスペースや、それぞれ分野ごとに分かれた部屋が続いていて、蔵書数はけっこうある。中国で人気の東野圭吾ももちろんあった。わたし未だに東野圭吾の本を読んだことがないの。映画は何本か見たんだけど。読んでみようと思いつつ、未だに手を出していない。

カフェもあった。のんびり座れるスペースもいっぱいあった。

紅色系の書架を発見。これはきっとアレにちがいない。

キンペー氏シリーズとか、我祖国的な本がいっぱい棚だった。

ああ楽しい。・・・のですが、ここもちょっと残念書店だった。何が残念かというと、SNS時代にはもちろん良さげなのだけど、ちょっとね、本屋としてのクオリティはイマイチだった。書架の上の方はダミー本だったし。

なにより入居しているこの商業施設がやばかった。稼働率2割いってないんじゃないかな。上海もだけれど、商業施設の空室率が危険水準なのは重慶も同じみたい。

なかなか暗いので、本屋に辿り着くまでほんとにドキドキした。本屋の向かいの元テナントにいたってはこんな感じに。

カラフルだけれども・・こわいー

どうなるかな、重慶店。

重慶の面白スポット|白象居マンション

重慶の街を歩きまわるのはほんとうに楽しい。観光地や流行りのステキな場所ではなく、なんだかよくわからないスポット(ビルの中を通過するモノレールとか)がいっぱいあって、ワンホン(網紅、インフルエンサー)たちが映える写真をSNSにあげるので、結果みんなが集まりが重慶の見ておきたいポイントとして市民権を得ていてる感じ。

この日に行ったのもそんなワンホンスポットのひとつ。近くには白象街というエリアがあって昔の金融街なのだそう。白象は仏教ではとても神聖な生き物なので、縁起の良さそうな名前をつけたのかもしれない。

白象の像

ぐしゃぐしゃのケーブルの向こうがくだんのスポット

目的地は長江の岸辺に建つ高層住宅群「白象居マンション」。

90年代初頭に建設された25階建ての6棟からなる建築物で、38メートルの高低差を利用した空中廊下橋、1階、10階、15階にそれぞれ出入り口があるとにかくユニークな設計と独特な空間構造のアパートメント。歩いてみると自分が今何階にいるのかまったくわからなくなる。

居住者もいるし民泊などもできる。前回のブログに書いた『少年の君』など映画やドラマの撮影でも使われている。

一見ふつうのアパートメント

ショップやカフェもある、右はスマホ充電器

民泊用につかっているオーナーもいる

中国のドア飾り

中国ではドアはオーナーが自由に変えられる

25階建だけど階段のみ

サンルームにしている家や、転落防止柵をつけている家

棟をつなぐ渡り廊下、ロープウェーも見える

下は日当たりゼロ

1階のパティオにネコズ

上を見上げると10階あたりに橋

橋は道路につながる

橋から見下ろすとネコズのパティオ

橋の先の道路は坂道につながり

道路を挟んだ向かいのアパートも渋い

坂の上でもみんな写真を撮る

建物に沿って坂を登ると隣のアパートの反対側に出る。反対側は階段。このアパートも階段の踊り場のようになっているいくつかの階から出入りできそう。階段を下りきってまた昇るとその先に見えるのが長江。

お金を払うとベストの場所でベストの角度で最高のワンホン写真を撮って小銭を稼ぐ人たちもぞろぞろいる。

下は写真待ちの列。写真に関してはベストショットを撮りたいのはみんな一緒だからか、若者だからかはわからないけれど、割り込むことなくおとなしく順番に並ぶ。後ろ姿で白象居マンションと長江と橋を入れて撮るのがワンホンショットらしい。みんな同じ構図の同じポーズ。

 

重慶小麺を食べ続けた3泊4日

 

重慶グルメと言えば、火鍋と重慶小麺。たぶん誰に聞いても同じことを言うハズ。街を歩いると火鍋屋さんや土産物屋から香るお土産用火鍋の素の香りがすごい。

あちこちで売っている火鍋の素

今回はひとり旅行だったので火鍋な感じにはならなかったのと、残念なことにもともと中国の火鍋が合わないみたいでお腹が痛くなってしまう。日本で食べるときは平気なので、きっと油じゃないかなと思っている。

火鍋じゃないとあらば重慶小麺というわけで、わたしは3泊4日重慶小麺(シャオミエン)を食べ続けた。

ひとつの理由には、泊まっていたホテルが重慶小麺館(中国では麺屋さんのことを麺館と呼ぶ)をやっていて、朝ごはんをそこの麺館で食べることができたから。ちなみに朝ごはんは朝7時半から夜8時半まで一日中提供されている。

もうひとつの理由は、ひとりで泊まっていたのだけれど、朝食券は毎日2枚ずつくれたので、朝晩(もしくは朝昼でも昼晩でも)好きなだけ重慶小麺を食べることができたから。

朝食券は1泊した翌朝からだったため、麺食べ放題のようなことになっているとは知らず、到着したその日の夜も重慶小麺を食べに出かけた。

重慶小麺とは、重慶で食べることのできる全ての麺を重慶小麺というみたい。小麺とは言うけれど、普通サイズ。むしろやや多い。

下の写真に小さくあるように二两16元(約320円)、三两20元(約400円)がスタンダードなサイズ。一两(イーリャン)は50gなので、普通盛りと大盛りという感じなのかな。一两ではたぶん頼めないみたい。

初日の夜に行ったのは、重慶小麺10強(トップ10)をはじめ、ありとあらゆる重慶小麺ランキングに名前を連ねる「花市豌雑麺」に行ってきた。

花市の看板メニューは豌雑麺(ワンザミエン)。豌雑麺は、麻辣のマー(花椒)とラー(トウガラシ)と大量の香辛料が効いたタレに、熱々の麺と青菜を乗せ、最後に肉味噌と、とろりと煮たえんどう豆をかけた混ぜ麺。

マーとラーといろいろな香辛料

どんぶりが汚れても気にしない

麺担当

とろりと煮たえんどう豆と肉味噌

こんな感じ(この日は卵もトッピング)

底のタレと一緒にしっかり混ぜて食べる

すぐ上のふたつの写真は違う日、初日と最終日に花市に行ってきた。

1997年に中央直轄市になるまでは四川省の一都市だった重慶は、中国の中でも激辛マップの真っ赤なエリアなので、普通の辛さがすでに激辛と言われている。日本人にとっては不辣(ブーラー、辛さゼロ)ですら普通に辛いと在重慶日本国総領事館のサイトにも書いてあるくらいなので、そんなに辛さに弱いわけではないのに、ちょっとひよって初日は微辣(ウエイラー、ちょい辛)にしたの。

そうしたら普通に辛かったのだけれど、ほんとに普通に美味しい辛さだった。もっとガツンと痺れるやつを期待していたと言うか「ウエイラーにしたのに激辛だったー」と言いったかった。

そんなわけで、このお店本来の普通の辛さレベルを体験したくて最後の日にもう一回行ってきた。それはもうビリビリきた。大満足。

わたしの重慶小麺ヒストリー

1杯目:豌雑麺(ワンザミエン)ちょい辛

2杯目:酸辣粉(スアンラーフェン)スーラーはるさめ

3杯目:抄手(チャオショウ)ワンタン

4杯目:小麺(シャオミエン)具なし麺 

5杯目:酱雑麺(ジャンザミエン)ジャージャー麺

6杯目:牛肉麺(ニューロウミエン)辛い

7杯目:豌雑麺(ワンザミエン)辛い

毎日辛いのもあれなので、辛くせずに食べた日もある。辛くなくても美味しかった。

上記の麺に加えて、肥腸面(フェイチャンミエン)という豚のホルモンをトッピングした麺が重慶小麺の代表チームみたい。

重慶ビールも載せておく

昨日までいた重慶ロケの映画『少年の君/Better Days』を観た

www.youtube.com

昨夜のブログに書いた重慶で撮影された映画『少年の君(少年的你/Better Days)』を早速観た。内容も役者も作品についても何も知らないまま観た。

作中では「安橋(アンチャオ)市」という架空の街だけれど、撮影は昨日まで旅行でいた重慶。ちょうど昨日行ったところも撮影場所だから・・というノリで見てしまったので、ちょっといろいろ衝撃が大きかった。

あらすじは公式サイトから。

進学校に通う成績優秀な高校3年生のチェン・ニェン。

全国統一大学入試(=高考)を控え殺伐とする校内で、ひたすら参考書に向かい息を潜め卒業までの日々をやり過ごしていた。

そんな中、同級生の女子生徒がクラスメイトのいじめを苦に、校舎から飛び降り自らの命を絶ってしまう。

少女の死体に無遠慮に向けられる生徒たちのスマホのレンズ、その異様な光景に耐えきれなくなったチェン・ニェンは、遺体にそっと自分の上着をかけてやる。

しかし、そのことをきっかけに激しいいじめの矛先はチェン・ニェンへと向かうことに。

彼女の学費のためと犯罪スレスレの商売に手を出している母親以外に身寄りはなく、頼る者もないチェン・ニェン。

同級生たちの悪意が日増しに激しくなる中、下校途中の彼女は集団暴行を受けている少年を目撃し、とっさの判断で彼シャオベイを窮地から救う。

辛く孤独な日々を送る優等生の少女と、ストリートに生きるしかなかった不良少年。

二人の孤独な魂は、いつしか互いに引き合ってゆくのだが・・・。

映画『少年の君』公式サイトより

昨日のブログでも触れたけれど、重慶は高低差が大きい街で「8D都市」の呼び名もあるほど。自分では1階から入ったつもりのビルが、ビル側では22階だったりする。そもそも1階のつもりだった場所も27階。どういうこと?

何層にもなっている街の構造で、配車アプリでタクシーを呼んで、お互いに同じところにピンが刺さっているアプリの画面を見ていても、いる階層が違ってタクシーに出会えない・・というのは重慶のお約束のネタ。そんなことがネタになる街。

映画では、学校や社会のヒエラルキー、苛烈な中国の大学受験、いじめをする側、いじめのターゲット、貧困層ストリートチルドレン、犯罪などが描かれている。複雑で簡単に解決することができない社会構造を、その比喩的表現として、重慶という物理的に複雑な街の作りを背景として効果的に描いているあたりが圧倒的だった。

YouTubeの予告動画を後から見たのだけれど、描かれているいじめのシーンなどは予告版の比ではない陰惨さだったので、心が痛かったし、かなりキツかった。

すごくダークな部分の多いストーリーなものの、難しい状況の10代の若さ(脆さや、純粋さ、不器用さ、愚かさ、とにかくいろいろな意味での若さ)を切なく、リアルに演じていた役者たちがすごかった。

いろいろ思うところがあったので(受験シーンは引くほど強烈だったけど、ほんとなのかなとか)、今度ランゲージエクスチェンジのパートナーに映画の話を聞いてみようと思う。彼女ならきっと観てるはず。

映画のシーンの魁星楼(クイシンタワー)のところの坂。上が映画で、下が昨日の。

高盛創富展示センタービル(22階)から魁星楼(27階)。上が映画で、下が昨日。

重慶の街を歩いていると壁に張り付けられているように見える木がちょくちょくあった。映画にも映っていた。下は一昨日撮った写真。