ひつじ泥棒2

Who stole my sheep?

他人の言い間違いは、けっこうずっと覚えている

 

自分の言い間違いは、恥ずかしすぎて秒で記憶から抹消するのですが、他人の言い間違いはわりと鮮明に覚えていて、折に触れては思い出させていただいています。

 

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白ワインとお楽しみプラターね

大学に入る前の半年間ほど、テーマパークのような大きなレストランのシーフードホールでアルバイトをしていました。シーフードホールだけでも1000席ほどあるにも関わらず、週末になると2時間待ちなんてこともあたりまえの、バブリーなレストラン。

ちょっとした海外旅行のような気分になっちゃうお店で、ご機嫌になったお客さんが「じゃあ最初は、この白ワインとお楽しみプラターお願いしようかな」なんて浮かれた感じでご注文くださいます。

お客様、《お刺身プラター》ですけどね。

 

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ダンシングクラブ、いける?

こちらも同じお店。デートでいいとこ見せたいぜという時にも利用されるお客様も多かった。メニューを見ながら慣れた感じで「あとは・・、ダンシングクラブ、いける?」

お客様、《ダンジネスクラブ》でございます。

プロだったら何事もなかったように「承知いたしました」と言えるんでしょうけど、わたしはアホな子だったので(ダンシングって〜)と頬を引きつらせながら、笑うのを必死にこらえていました。

 

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あそこ、コレラで大変みたいよ

ちょうど2年前のお彼岸の頃、お寺に向かうために乗ったタクシーの運転手がまあよく話す方だったんです。最初はまるで内緒話でもするように「ここだけの話なんですけどね」な感じで始まったのですが、「今ニュースでやってる、ほら、コレラの人。あそこの(かなり具体的な地名)あれ(かなり具体的な職業)みたいなんですよ。まさか、あれがコレラなんてねえ。いやあお客さんにたまたま聞いたんですけどね。コレラでほんっと大変みたいなんですよ」

お客さんから聞いた話をベラベラ話すのってほんとどうかと思うし、そもそも《コロナ》ですしね。

 

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こちらが私の妻のカナです

友人(新婦カナ〈仮名〉)の結婚式、式の前に行われた親族紹介の場でのはなし。可愛い娘の嫁入り、式が始まる前から既に感極まる新婦の父タツオ〈仮名〉。とっても真面目お父さんで、タツオが感極まっている様子が目に浮かびます。

新郎側の親族の紹介が終わり、次は新婦側の紹介。こみ上げる想いと、こみ上がる嗚咽、極度の緊張で震えるタツオの声。「ほほほ、ほ、本日は、私のつつつ妻、カカ、カナのために、足をお運びいただき・・」

カナはあなたの《娘》だ。タツオの可愛すぎる痛恨のミス。

 

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あ、お母さん!

20代の頃、英会話の講師をしていたことがあり、主に社会人の方を担当していました。大きい街ではなかったので、休みの日など、偶然仕事中の生徒さんをお見かけしたりすれ違うこともよくありました。

ある日、下りのエスカレーターに乗っている時、反対側のエスカレーターで、40代前後の颯爽とした社会人の生徒さんが上ってきました。はじめ向こうは気がついていないようでしたが、すれ違うちょっと前に目があったので軽く頭を下げると、向こうもわたしだとわかったようですれ違いざまに声をかけてくださいました。「あ、お母さん!」

絶対に《先生》と呼ぼうとしたのはわかります。わかりますが、口から発した言葉は「お母さん」・・・。あるある中のあるあるな言い間違いですが、ご本人は恥ずかしかっただろうなあ。

 

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さのもと はるさん

数年前のゴールデンウィーク、レンタカーで地元のRNB南海放送(AMラジオ)を聴きながら愛媛県をドライブしていた時のこと、なんとなく耳覚えのあるイントロが流れてきました。同時にリクエストのハガキを読むアナウンサーのなめらかな声で「『GW中はずっと庭仕事でラジオ聴いてまーす』宇和島の◯◯さんからのリクエスト、サノモト・ハルさんのサムデイ」と曲紹介。
「さのもと・はるさん」・・耳にものすごい違和感。とその瞬間、「サノ、モトハルさん!《佐野元春さん》のサムデイですー!大変失礼しました!宇和島の◯◯さんもごめんなさーい!」とアナウンサーの必死な声。ふふふ

 

またどこかで言い間違いに遭遇しないかな、と楽しみに日々過ごしています。