このタイトルだけで、あ、あれねとピンと来た方は、きっと仙台人。本命の仙台お菓子はのちほどご紹介いたします。まずは、有名処から。
よいとまけ
食べづらいお菓子、といえばといえばこちら。北海道、苫小牧の「よいとまけ」。
普通のロールケーキじゃない、と侮るなかれ。これはプロが撮った写真ですからね。わたしだったらきっとこんな綺麗な切り口はできないと思います。おそるべしお菓子「よいとまけ」なのです。…名前も不思議すぎ。
箱から出すと、セロファンにくるまったロールケーキ。セロファンには「セロファンを剥がして、オブラートの上から濡らした包丁でお切りください」の文言が。お、お、オブラート?濡らした包丁?
ハスカップジャムをふんだんに塗りたくったロールケーキ風ロールカステラなのですが、そのベタベタぶりに輪をかけてオブラートって、切りにくいことこの上ありません。ぼっそぼっそでべったべった。でももちろん美味しいです。
信玄餅
もう一つ食べづらいお菓子の王道といえばこちら、言わずと知れたこのお菓子。2015年「おみやげグランプリ」グランプリ受賞、山梨は桔梗屋の「信玄餅』」でございまする。
吹き飛ぶきな粉、きな粉と混じわらない黒蜜、なんといってもパンパンすぎて何をどうしてもきな粉こぼれるのは避けられないという一品。
生パイ
そしていよいよ、しんがりを務めさせていただくのが、仙台銘菓「萩の月」の菓匠三全が出しているブランドの一つ、ロワイヤルテラッセの「生パイ」です。
ボート型のサックサクの生地に、たっぷり入った甘さ控えめカスタード、たっぷりのパイフレークと粉砂糖をかけた、仙台ピーポーみんな大好きな(たぶん)お菓子です。「生パイ」なんていうひねりも芸もないそのまんまなお名前もステキ。ただ、見た目を裏切らず、食べにづらいことこの上なしです。
これを仙台から連れて帰ってくるのもなかなかリスキー。ちょっと階段を踏み外したり、お急ぎの方に肩をドンなんてされようものなら、箱の中で「生パイ」たちがただのぐちゃぐちゃと化してしまいます。でもわたし、転ばないように頑張って連れて帰ってきました。
鼻息注意ですよ。ちょっとの鼻息でこの薄くデリケートなパイフレークと、粉砂糖が舞い散ること必須です。お上品にフォークを入れようものなら、ボートが傾いてパイフレークと粉砂糖が舞うどころでは済まない惨事を引き起こします。
パイの粉を気にしつつ、ボートの両縁をおもむろに掴んでハフっと食べるのがいいのかな。みんなはどうやって食べてるんでしょう。これまでの人生で何十個かの「生パイ」を頂いてきましたが、どこも汚さず完食した記憶はありません。ま、汚れたら拭けばいいだけです。そんなことを気にしていてはこの美味しさにありつけません。
わわわわー、おいしー。いくつもの試練を乗り越えて食べるロワイヤルテラッセの「生パイ」はまた格別ですね。
ごちそうさまでした。言うまでもありませんが、ゴミに出すときにも吹き荒れるパイと粉砂糖にご注意くださいね。