ひつじ泥棒2

Who stole my sheep?

隆昌路の古い集合住宅、上海の共同租界

 

もうすぐ帰国だというのに最後まで何をしているんだろう・・・と思いながら、今日は楊浦(ヤンプー)区の古い集合住宅を見に行ってしまった。

地下鉄12号線の隆昌路(ロンチャンルー)駅で降りて駅名と同じ通りの隆昌路を行く。このあたり、租界時代は共同租界が置かれていたところ。隆昌路の周りを見るとそれっぽい建物の名残(保存されているものも、廃墟となっているものも)がある。

造りが福建土楼の四角バージョンみたい

本日のごちそうは、隆昌路362号、隆昌公寓(ロンチャンアパート)と呼ばれる集合住宅。共同租界の警察職員の住宅として1930年に建てられた。イギリス人の建築家の設計。近年一旦取り壊されかけたのだが、市の優秀歴史建築に指定され解体を免れたのだそう。

建物は上海では初めて見る回の形。日本だったら「口の字」と表現しそうだけど、入り口のプレートには「回」に設計されていると書かれている。

四隅と、下の写真で出っ張っているところが階段。当時はエレベーターがあったそうなのだけれど今は使えない。250部屋ある6階建てアパート。


階段も、廊下も、空間も、全部自分の家扱いだった。

通りに面した壁は赤煉瓦、内側はうちっぱなしのようなコンクリート。突き出る物干し竿を見ると、やっぱり上海だなあと思う。

上海でいちばん心に残っているものって・・やっぱり古い建築物(と外干し文化)なのだろうなあと改めて思う。

仔猫が2匹

旧フランス租界のノスタルジックな上海弄堂(ロンタン)

 

弄(ロン)は路(ルー)より小さい単位の通りのことで、路地のような道。そしてその路地に並ぶ2、3階建てのメゾネット形式の住宅を弄堂(ロンタン)と呼び、上海界隈特有の居住形式なのだそう。1845年からの上海の旧租界(外国人居留地)内の中国人向けに建てられた弄堂が今も上海の街中に残っている。

超高層ビルやリノベーションされた素敵上海はもちろん、100歳越えの建物も多く、現役のアパート群ではあるものの、いつ再開発の対象となり消えていくかもしれないノスタルジックな弄堂。

まずは旧フランス租界の1930年に建設された、上海らしい木造れんが建築の歩高里(ブーガオリー)。簡体字のブーは「步」、日本語の漢字は「歩」。間違い探しみたい。

青の点線の区画が歩高里

陜西南路(シャンシーナンルー)の入り口

メインの通りは庇付き(空飛ぶセーターは上海干し)

建物のつなぎのディテールも凝っている

上海の外干し文化はどこまで続くのかな(猫がいるよ)

キリリ

他にも見学者がいた

黒板アート、住民の方が描いたのかな

建国西路(ジエングオシールー)側の入り口

次に上海に来るまであるかな、という刹那的な美しさがよけいにキュンとくるー。

上海のフランス租界さんぽ(南昌路・思南路)

 

上海には租界(1842年の南京条約により開港した上海に設定された外国人居留地)と呼ばれる旧外国の居留地の歴史的建造物が集まるエリアが点在しており、2000年以降それらの物件や区画の再開発が進み、商業施設や観光スポットとしてオープンしている。

古い建物や街並みを自由に歩けるなんて、レトロ物件が好きな人たちにとっては上海は最高のお散歩シティ。

今回はまだブログに書いたことのない通り。最初は南昌路(ナンチャンルー)。

古いアパートメントのいくつかはこれから取り壊しがあるみたい

プラタナスをつかったウォールアート

石造のアパートメント

アパートの裏手にも低層のアパート、もちろん外干し

煉瓦造りの病院、こんな病院なら通いたい

そしてそのまま思南路(スーナンルー)へ。思南公館は高級住宅街と商業施設があるハイエンドなエリア。ここの高級アパートメントおいくら万円からスタートなのだろう。上海では2箇所に住んだのですが、どちらの物件探しの時にも我が家のバジェットでは当然かすりもしないのは知っている。

思南公館

龍のウォールアートがかっこよ

(教会じゃない方の)思南書局

こじんまりとしたレトロビルの本屋さん

メジャーな本屋には必ずディスプレイされている

思南路のプラタナス並木

通りの門を入るとアパートメントが並ぶ

住んでみたい(水道管とかどうなんだろう)

カフェやレストランもあるけれど、他のエリアよりもハイエンド路線のせいか、いつきてもかわらない感じで、のんびり歩くのにちょうどよい通り。クラシカルな洋館のスターバックスやDR.CI:LABOのスパもあった。わたしはグビッと。

上海のクラフトビールBoxing Cat Brewery(ボクシングキャットブルワリー)

今度は麺、ミシュラン上海のビブグルマン常連店

 

気温が上がりコートもいらない春の1日、租界時代の高級住宅地が並ぶ思南路(スーナンルー)をふらっと歩いてきた。春の訪れとともに憎々しいコレも訪れている。

プラタナスの種子(写真見てもくしゃみ出そう)

7年前、上海ってスギ花粉ないらしいじゃないと得意げになっていた自分を呪いたい。スギ花粉はなくともプラタナスが猛威を振るう上海。ピークはもうしばらく先。おそるべし。

歩道に溜まったプラタナスの種子を睨みつけながら歩いていたら、有名麺屋さんを通り過ぎてしまった。そのお店は阿娘麺館(アーニャン麺館)。ガイドブックにも載っている蘇州麺の有名店。ミシュラン上海のビブグルマン常連店のひとつである。

お店の前の狭い歩道は、普段は地元の人や観光客で賑わっているのに今日は人が全然いなくて通りすぎてしまったようだ。どうしたんだろうとお店の前に戻ってみたら、開店したばかり(11時)でまだ数人の客しかはいっていなかった。

もしかしてラッキー。食べていきなさいとのお誘いに違いない。

入口すぐのカウンターで支払い、空いている席に

座り放題

お店のいちばん人気は黄魚(イシモチ)麺

左がキッチン、右側が洗い場につながっている

ミシュラン様がずらり

わたしは蟹粉麺を(これが最後の蟹麺かも)

グルグルに混ぜて、黒酢もかけちゃう

食べ始める頃にはあっという間に店内の席が埋まり、食べている人の後ろに人が並びはじめた。4人席でひとりで食べていたわたしの向かいも隣もちろん相席。

支払いをした順番ではなく、食べている人のお碗を覗き食べ終わりそうな人にあたりをつけて後ろに立つというのがここのスタイル。日本の町のラーメン屋のように食べ終わったらさっさと出ていくのが暗黙のルールである。

今日も大変美味しくいただきました。

上海人がすすめする帰国前に食べてほしい中国料理3つ

 

今日は引越し荷物の搬出日。 お昼前には全ての荷物(家具付きのアパートメントなので、最低限のものはある)が運び出されてしまった。不要品なども引越し業者に引き取ってもらい今はガラーンとした部屋。・・のだけれど、わたしの部屋にひいていた日焼けしてすっかり色の変わったラグ、あまりに馴染みすぎていたからか引き渡し忘れてしまった。

ブラジルにいた時から使っていたラグもここでさよなら

中国ライフも月末までのあとわずかとなった。個人的には食べ残した中華料理はないのだけれど、もうすぐ帰国する外国人に中国人は何を食べてもらいたいのかが気になったので、ランゲージエクスチェンジの上海人に聞いてみた。

日本に帰る前に食べておいた方がいい本場中国の味トップ3。

via 噜噜梵@小红书

第3位 ”中国の”火鍋

火鍋は日本でも食べることができるけれど、中国の火鍋と日本の火鍋はどちらもお美味しいけれどやっぱり違う料理だと思う、と言う彼女。

日本で働いていた時に中国人経営の火鍋屋はもちろん、東京で美味しいと評判の火鍋をあちこち食べ歩いたけれどやっぱり何かが違うらしい。わかる気はする。なぜならわたしは日本で食べる火鍋は好きだけれど、中国の火鍋はさほどでもない。きっとそういうことだろう。

 

via 🧀谁吃了我的奶酪@小红书

第2位 タニシ麺(螺蛳粉|ルオスーフェン

太めのトゥルンとしたビーフン、具は発酵したタケノコの漬物、揚げ出し湯葉、青菜、ピーナツなど、それらをタニシで出汁をとったスープで食べる麺料理。この2、3年で一気に全国区になった広西チワン族自治区の郷土料理。

すごく美味しいらしい。美味しけれど、すごく臭い。この料理の特徴と言えばその「臭さ」だ。中国人にとっても臭いことは臭いらしい。臭いけれどうまい。・・みたいな。

彼女が家でルオスーフェンを食べると、母親が臭いからほんとにやめてくれと言うそうだ。好きな人は大好きな味なのだろう。彼女は大好きなので、美味しいルオスーフェンのお店リストを送ってきた。

 

via 网上厨房

第1位 13のスパイスで食べるザリガニ(十三香小龙虾|シューサンシャン・シャオロンシャー)

シーズンはもうちょっと先だけれどみんな大好きザリガニ料理。ザリガニカレーや麻辣ザリガニなどいろいろなメニューがあるが、彼女がおすすめするのは十三香小龙虾。

十三香は直訳すると13のスパイスだけれど、実際には山椒、唐辛子、ネギや生姜をはじめとした、すごくたくさんのスパイスが入っているそう。二人で行くと言ったら「ふたりだったら1キロは絶対に頼んでね」と言われた。1キロ!

以上が彼女のおすすめする中国にいる間に食べておいてほしい中華料理。それにしてもクセ強めものばかり揃えてきた。「焼き小籠包とかの美味しいお店とかでいいんだけど・・」と小さい声でつぶやいたら「ああ?」と言われた。

 

昔ながらの製法でつくる、オールド上海の焼き小籠包

 

焼き小籠包、もとい、生煎(シェンジエン)、ふたたび。

焼き小籠包なら東泰祥が好きという人は結構多く、SNSで見る上海の一番美味しい焼き小籠包TOP10などには必ず選ばれる、焼き小籠包や麺などのお店「東泰祥(ドンタイシャン)」。

上海人のオーナー、ゾンさんが「昔ながらの上海の味」にこだわって、1920年代にあった廃業していたお店を復活させたのだそう。

上海市非物質文化遺産にも選ばれている(非物質分野とは?

今回行ったのは東泰祥の長寧路店

東泰祥も市内に数店舗ある。前に一度行ったことがあるのは中心部の新天地(シンティエンディ)のお店、こっちの方が入り口ゴージャス。今回は長寧路(チャンニンルー)店に行ってきた。

写真の黄色の人はデリバリーの人。焼き小籠包は絶対にお店で食べた方が美味しいもののひとつと信じてる。とか言いつつデリバリーもするけど。

先に書いた「昔ながらの〜」というのは、皮を半醗酵させて作る手法のこと。今どきの多くの焼き小籠包屋さんは、醗酵の工程をスキップした薄い硬めの皮でスープがたっぷり入り、かじるとプシャっというの売りなのだが、東泰祥では肉まんの皮を薄くしたタイプの皮で、半醗酵のふわっと感がいい感じ。飛び散るほどのスープではないけれど、程よい量のスープがこれまた良し。

通りから見えるところで焼くスタイルが上海風

後ろではノンストップで餡とスープを包んでいる

f:id:pucayu:20240319234906j:imageローカルでキレイなお店

入り口でお金を払う。メニュー版がギラギラ!

青ネギとゴマがいい仕事をしてる

大変美味しくいただきました。わたし的ナンバー2。

後もう一軒、いや二軒もう一度食べたい焼き小籠包のお店があるのだけど・・行けるかな。