こどもの頃からずっと使っているものってあるかしら、ぐるっと部屋を見渡してみましたが、ないみたい(多分)。いつも使っている中で一番古いものは、こちらです。
大学1年生の時に L.L.Beanの通販で購入したもの。大学1年って……、オン十オン年の付き合いです。見た目のごまかしはもう効かないお年頃、近くに寄ったらもう隠しようがないほどカンペキアウトですが、遠目で見ても大概アウトなところがわたしの分身のような気さえします。
オハイオの堪え難い寒さを共にしのぎ、仙台の寒さも、極寒の冬の旭川で2ヶ月仕事をした時も、地球の反対側でも、花のトーキョーでも、手放せない存在。ここシャンハイに至っては、建物のせいか、天候のせいか、気温以上に寒さを感じるので、一日中ベッタリ、文字通り肌身離さずライフを送っています。
だいぶ毛羽立ってはおりますが、温かさは今も現役。ゴンゴン洗濯機にまわされても、ヴォンヴォン乾燥機にかけられても、外に干されても、元気にしております。 L.L.Beanさん、いいお仕事されてます。時代を感じますが……。
使い方はいたってオーソドックスで、肩にかけたり、膝にかけたり、くるまったり。肩にかけてキッチンに立っている時なんて、ちょっとした鍋つかみにだってなってくれます。おすすめは、シーツのようにベッドに広げてその上に寝ると、暖かい眠りを約束してくれます。
手放せない存在ではあるのですが、わたしもできた人間ではないので、何かの折に浮気ゴコロがちょろっと出てくることもあります。
花のトーキョーの雑貨屋さんには可愛いコたちが我を我をとアピールがすごいですし、アルゼンチンの北の方の織物たちにはココロを奪われ、アイスランドでは手にカードを握ってしまったこともありましたが、その度にこのクラシカルなチェック柄がチラチラよぎり浮気には至らず。
気持ちがちょっと揺らぐのはまだ浮気じゃない、ハズ。ほら、相手はモノだし。
夫にも何か長く使っているものはないかを聞いてみたところ、大学生の頃から共に人生を歩んでいる耳かきがあるとのこと。あ、ああ、あれね。オン十オン年前にはおそらくついていたであろう、上の部分の飾りはすでに時空の向こうに溶けてしまった、竹の耳かき。出張先でも、旅先でもいつも一緒。
お見せするほどのアレでもないので写真は撮らないでおきますが、彼にとってはとても大事なモノのようなので、有事の際にはあの子を人質に取ろうと思います。