ずるい【狡い】
自分の利益を得たりするために、要領よく振る舞うさま。また、そういう性質であるさま。悪賢い。こすい。
ばか【馬鹿】
知能が劣り愚かなこと。社会的な常識にひどく欠けていること。つまらないこと。無益なこと。
お勉強的なことには全く厳しくない家に育ちました。夏休みなどに「涼しいうちに勉強終わらせなさいー」と言われるくらいで、あとはどれだけ勉強をしようとしまいと、厳しく言われることは全くありませんでした。
そんなわけで、特に熱心に勉強することなくこども時代を過ごしたわたし。叱られることのない最低ラインだけを抑えるタイプ。
姉もまったく同じ環境で育ちましたが、地頭の違いと、もともと持った性質とで、何を言われることなくとも自分でこつこつと勉強し、本を読み、知的好奇心を満たすタイプ。
ゆるりゆるりとかわしてやってきましたが、すり抜けられない壁が現れました。これがいわゆる「9歳の壁」というものなのでしょうか。1年生、2年生のころはふわーっとした理解でなんとかなってきたものがならなくなった3年生。
わたしの場合は、小学校3年生の3桁の引き算が人生初の壁でした。3桁の足し算まではできたのが、3桁の引き算でできなくなったところが脳のキャパだったようです。
こんなとき、他の人はどうするのでしょう。
3桁の引き算を理解できるまで丁寧に理解する。
3桁の引き算はなかったことにして通り過ぎる。
こんな時姉のような性質の人であれば前者なのでしょう。そしてわたしのような性質の人は後者ということでしょう。
とは言え、小学3年生ライフには、なかったことにならない宿題があります。
3桁の引き算はわからない。なかったことにしたいけど、宿題は出さないといけません。しらっと目立たずに自由にしたい子どもにとって、宿題を出さないような目立つ状況というのはいささか厄介な……
ひらめいてしまいました。宿題は提出しつつ、3桁の引き算をスルーする方法。
「ー(引く)」に「 l(縦棒)」を書き加え、「+(足す)」に記号を変えてしまえばいいのではないでしょうか。3桁の足し算ならわたしにもできます。
小学3年生になってもずるい子。そしてバカ。ずるさとバカさだけは着実に成長しているようです。これでなんとかなると本気で思ったのでしょうか。そんな小学3年生の自分にがっかりです。
宿題を提出したその日のうちに先生に呼ばれました。先生とのその話し合いでどういうことになったか記憶が定かではないのですが、先生の記録上「このこはずるい子、そしてバカ」としてその学年を過ごすことになったのではないでしょうか。
足し算、引き算、掛け算、割り算など、基本的な仕組みを理解することや、ある程度は実際に計算する力をつけることは大事ですが、公式を暗記したり、3桁、4桁の計算って自力でやる必要あるのかしら。
……できない子が言うと負け惜しみっぽくなるからこの辺にしておきます。ごにょごにょ……