夏休みの宿題の定番、読書感想文。冬休みの定番という記事も見かけたのですが、そういう地域もあるんですね。いずれにせよ、長期休みの宿題の定番です。
好きな宿題ではありませんでしたが、言い方は悪いですが、しょせん宿題を出したかどうかの方が重要で、内容のクオリティ、正確さ、ましてやおもしろさが追求されるものでもなかったため(できない子の言い訳として勝手に思っているだけで、先生は一生懸命読んでくださっていたと思います。たぶん)、それっぽいことが書いてあればいいだろう程度の気持ちでやりすごしていました。
書き方のコツなども存在します。例えばベネッセのサイトには、読書感想文に書くべき本の選び方、何に留意して読み進めたらいいのか(メモを取るポイントも書いてある)、読書感想文の構成なども含め、この通りに書いたら少なくともボリューム的にも内容的にも合格点以上のものになるでしょう。
読書感想文の書き方のコツとステップをご紹介!|ベネッセ教育情報サイト
要は、上記のサイトもあるように「読んだ本の内容について」「読んでどんなことを感じたか」「読んでみて考えた自分の意見」が書かれていればよいのです。
『桃太郎』を例にします。
桃から生まれた男の子「桃太郎」が、おじいさんとおばあさんからきびだんごもらい、イヌ、サル、キジの動物たちを従えて、鬼ヶ島に鬼を退治に行くという物語を読みました。
ひとりで戦うのは大変なので、仲間をつくるために動物たちにきびだんごをあげる桃太郎は頭がいいなあと感じました。
わたしも助けが必要な時には、ただでやってもらおうとは思わず、きちんとお礼ができる人になりたいと思いました。
内容のひどさには目をつぶって…。こんな感じでOKです。本日のブログの便宜上、日本ではこれでだいたいOKということにしておきます。骨格としてはこんな感じで、あとはちょこちょこと膨らませば、分量も稼げると思います。
一方、アメリカ。アメリカにももちろん読書感想文(book report)はあります。ありますが、当然日本の読書感想文とは書き方も、コツもまったく違います。
アメリカの読書感想文であれば、「読んでどう思ったのか」「理由その1」「理由その2」「理由その3」「だからわたしはそう思いました」、これが基本のパターン。
極端な例ではありますが、同じく『桃太郎』で。
桃太郎はスーパーヒーローです。
おじいさんとおばあさん、そして村の人たちのために鬼ヶ島へ鬼退治にいきました。
動物たちも桃太郎のために一緒に戦いました。
鬼を退治し、村人たちから奪った宝物を持ち帰ることができました。
だから、桃太郎はスーパーヒーローです。
日本版に負けずとも劣らないひどさですが、本日のブログの便宜上、これでだいたいOKということにしておきます。
ポイントは、読書感想文の中で書かれる理由は、首尾一貫「読んでどう思ったのか=桃太郎はスーパーヒーロー」を立証するための証拠でなければいけないということ。
例えば「きびだんごをあげて物で動物たちをつろうとするのは、ちょっとずるいなと思いましたが…」とか、「退治されたあげく、宝物も全部もっていかれて、少し鬼がかわいそうになりましたが…」なんて意見は、論点がずれてしまうので減点です。たとえ本当にそう思ったとしても。
書かれている不都合な事実(ましてや感想など)には触れなくとも、自分の意見を証明する3つの事実を抜き取って書く、this is 読書感想文!という、けっこうシンプルでわかりやすいスタイルがアメリカーン。
このようなスタイルを小さな頃から刷り込まれているので、実社会の様々点において、この刷り込みが顔をだすのでしょうか。良くも悪くも。
全体像も、細部も、感想までも書きたい(書かせたい)日本。
結論と証拠をそろえたい(細部はどうであれ)アメリカ。
他の国の読書感想文はどんな感じなのでしょう。気になる国は、コロナ禍の国の政策でよくニュースであげられていた、中国、フィンランド、ドイツ、ブラジルあたりの国の読書感想文が気になっています。
今週のお題「読書感想文」