ひつじ泥棒2

Who stole my sheep?

能登半島を走るアート|SUZU. 2023 奥能登国際芸術祭 珠洲

 

金沢に着いた夜に見た「奥能登国際芸術祭」のローカルニュース。

面白そうだったのでさっそく公式サイトを開くと「会場:珠洲市全域 247.20㎢」の記載。もうそこからなんかおもしろそう。

今回のひとり旅の目的は金沢巡りだけではなく、能登半島をぐるっとドライブしてみたい願望を叶えるためでもあったので、能登半島をドライブしながら半島のはしっこの珠洲市で行われているアートフェスティバルを見るというのは最高ではないか。

14の国と地域から59組のアーティストが参加していて、なんなら3、4日かけてコンプリートしたい欲求もわいてくる。次の機会はそうしたい。

www.oku-noto.jp

■アイオロスの広場/Aeolus' Square, 小野龍一/Ryuichi Ono, Japan

朽ち果てたようなピアノから、周りに立っている何本もの杭にワイヤーが伸びている。という謎の構図。

どういう意図で、何を表現しているのだろうと、ピアノに近寄ったり、離れたり、周りを回って見て考える。考えるけどまったく思いつかない。現代アートってむつかしい。

思いつかないので説明を読むと、このピアノ朽ち果てたわけではなく、現役(?)の楽器として機能するらしい。ウインド・ハープ(またはエオリアン・ハープ。風で音を鳴らす弦楽器。名前の由来はギリシャ神話の風の神「アイオロス」)の機能がついていて、離れた場所からこのワイヤーに触れることで演奏できるらしい。しかも、この1台のピアノで複数の人がセッションできるという。わたしが行った日はパフォーマンスの日じゃなかったことが残念でならない。 

作品の近くにはこんなノボリが立っている

駐車スペースにもこんなボード

■自身への扉/Door to Yourself, ファイグ・アフメッド/Faig Ahmed, Azerbaijan

潮の満ち引きのタイミングで鳥居のところまで行けた。もちろん駐車場の方から眺めるだけの時間帯もあると思うと、たまたまだけどちょっとラッキーな気持ち。

少し離れて見るとこの小さなプレートがキラキラして綺麗だし、この鳥居をくぐる時には海風と一緒にプレートの音も聞こえてなんとも不思議な気分。

作者の意図はわからないけれど、「自身への扉」と名付けられたこの鳥居を出たり入ったりするのは、なんかこう不思議な行為な気がする。

ちなみに奥の方に見えているのは「ゴジラ岩」と呼ばれる岩。

 

他にもいくつかの屋内展示やインスタレーション作品を見てきた。どの作品も見応えがあって、ほんといい機会だった。

こういう作品を作る時って、完成形がアーティストの中にあってそれをめがけて作り上げていくのか、作業開始時には作品の卵のようなものだけがあって、作り進んでいくうちに完成形にたどり着くのか。それともどちらのタイプのアーティストもいるのかしら。