業界、職種、業種を問わず、毎日厳しい選択の日々かと思います。わたしの好きな本屋やカフェも大変だろうなと心が痛くなります。
状況が落ち着いたら、本を買って、美味しいものをいただくためにまた訪問します。
そんな本屋さんとカフェのこと。
先日ブログにした「恵文社一乗寺店」で2002年から店長を務めていた方が、2015年夏に恵文社を退社、その年の11月にご自身の書店を開いたと当時SNSで知ってからずっと訪れてみたいと思っていた本屋さん。
場所は河原町丸太町と鴨川の間にある、これまた京都らしい町並みの路地にあります。路地に入るとすぐに目にとまるのが「昔ながらの」と冠をつけたくなるようなレトロな銭湯。すぐ一本通りの向こうにはバスや電車の駅も近い大通りがあるとは思えないひっそりとした路地でした。そこに建つ古民家をリノベーションした建物が「誠光社」です。
数人入ったらもういっぱいになりそうな、昔家の近所にあったようなサイズ感がまず最初のトキメキポイント。
町の書店といえば、どんどんとその数が減ってしまってずいぶん経ちます。原因の一つが既存のビジネスモデルや本の流通の仕組みが時代に合わなくなったことにあるわけですが、誠光社はその既存の仕組みごとガラリと変える新しいビジネススタイルの町の本屋さんなのだとか。
具体的には、出版社と書店の間にあった「出版取次」を通さず、書店と直接取引をしてくれる出版社を開拓し、取次を挟まず新刊を自分のお店に並べるという新しいスタイルなのだそうです。
この本の流通云々に関しては後から知ったことでして、本屋に入って本棚を見る限りはそういったことは全くわからず「クセのある本、オシャレな本、マニアックな本、ポップな本、かつ比較的新しめの本がセレクトされた本屋さん」というのが私の印象でした。
めっきりKindleっこのわたしですが、この1年くらいの間に本のタイトルに惹かれて読んだKindle本が、誠光社の書架に現物として並んでいるのを見たとき、一気に誠光社への愛が高まったことは言うまでもありません。
ちなみにその本は『真実の終わり』ミチコ・カクタニ著、『私は幽霊を見ない』藤野可織著、『掃除婦のための手引書 ルシア・ベルリン作品集』ルシア・ベルリン著など。
誠光社をまるっと堪能した後は、もちろんカフェ。探さずともすぐお隣にやたらステキオーラを放つカフェがあるじゃないですか。エスプレッソ専門の「ItalGabon(アイタルガボン)」に寄りました。
ランチも充実していてどれも美味しそう。店内はbook careのような感じで面白そうな本がずらりと並んでいます。
わたしは初版が昭和37年(1962年)発行の『アメリカの迷信さまざま』ジュリー・バチェラー、クローディア・ドリス著、をぱらぱら読みながら本気度の高いカプチーノをいただいてきました。
あまりに美味しくて、どこの豆なのかと店内でこっそり検索したら、一度は訪れたいコーヒー店ベスト10(わたし選)の上位、能登半島のさらに奥にある「二三味珈琲cafe」の焙煎所「二三味珈琲舟小屋」の豆というではないですか。
こういう好きなもの好きなものがリンクするって・・、もう参りました。
二三味珈琲の焙煎所はこんなところ→【まとめ】自家焙煎にこだわる北陸のコーヒー屋8選・前編 | BONNO
早く心穏やかに本屋&カフェ巡りが楽しめる日が来ますように。