ひつじ泥棒2

Who stole my sheep?

フリー機械翻訳サービスくらべ|Google翻訳 / DeepL翻訳 / Baidu翻訳

 

前回のブログでツタの絡まる建物に目がないと書いたのですが、この「〜には目がない」で思い出したことがありました。

以前、相当ハイレベルな日本語力のアメリカ人に「『目がない』ってなに?その日本語なに?」と盛大につっこまれたことがあったのです。

ツタの絡まる家の「〜に目がない」は、大好き、好きすぎてしようがないのように使います。が、しかし、友人の知っていた「目がない」は「彼は見る目がない」などの、判断力がないとか、センスがないという場合のものだけだったそうです。そんなわけで会話の中に「〜に目がない」が登場し、なんだかちょっと日本語のできない外国人みたいな雰囲気になり、ご本人的に相当不本意だったようです。

長い前置きになりましたが、そんなことをふと思い出し、2021年の機械翻訳ってこの手の表現はどのくらいついてきているのかと気になった次第。

「〜に目がない」の文章を、3つのフリー機械翻訳サービスでで比べてみました。

1つめは「Google翻訳」みなさんご存知アメリカグーグル社のあれです。

2つめは「DeepL翻訳」こちらは比較的新しく、2017年夏リリースのドイツのDeepL社が運営する機械翻訳サービス。

3つめは「Baidu翻訳」よく「中国のグーグル」と呼ばれる中国の検索エンジンサイト百度バイドゥ)のものです。ふだん使っていませんが、どんな感じかなと思いつきで足してみました。

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わたし、モンブランに目がないの。

今回翻訳にかけた文章は「わたし、モンブランに目がないの。」原文は日本語、訳文は英語といたしました。そして、結果の英訳をもう一度日本語に再翻訳してみました。

では、結果発表です。

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Google翻訳】I have no eyes on Montblanc. → 私はモンブランに目を向けていません。

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【DeepL翻訳】I'm a sucker for Mont Blanc. → 私はモンブランが大好きです。

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【Baidu翻訳】I miss Montblanc. → 私は、モンブランを逃します。

今回の勝負はDeepL翻訳の圧勝!正しい意味なだけではなく、言い換えの例まであげてくれています。モンブランだって上手に書けてる。ステキ。

Google翻訳は日本語を英語に置き換えただけで、意味としてはなんのこっちゃということになってしまいました。そしてBaidu翻訳は、ものすごく好意的に解釈すれば意訳か?でも再翻訳すると意味不明……ちょっと判断に苦しむところです。

ちなみにこのDeepL翻訳、カーソルを合わせるともっとたくさんの選択肢がプルダウンから選べます。「I'm a huge fan of Mon Blanc」「I'm a Mont Blanc kind of girl」とかいろいろ。

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カーソルをあてると、もっとたくさんの選択肢が出てきます(DeepL)

それぞれのサービスで得意な言語や、得意なスタイルがあるので、一概にこれだけの比較でどれがいいということはないのですが、無料で使えるウェブ翻訳サービスとして、DeepLはかなり重宝しています。

Google翻訳はヨーロッパ言語などは比較的得意なようですが、日本語や中国語といった独特の言語体系の言語では、今回の「〜に目がない」のようなちょっと独特な文になると、だいぶ進化しましたが、まだ残念な感じ。

その点、DeepL翻訳は、日本語と中国語に強いそうで「文脈に適した自然な言葉の選択に優れている」とかなりの高評価。中国語は未使用なので不明です。

そんなDeepL翻訳ですが、弱点ももちろんあって、ちょこちょこ訳抜けがあるんです。役抜けというか勝手に省略されるというか……。そのあたりは自己責任でしっかり確認が必要。抜けはGoogle翻訳の方が少ないと思います。

さらに、中国ではGoogle関連は基本的に使えないのですが、DeepLは中国でも使えるのでこれも個人的にはありがたいポイント。

AI翻訳ってほんとすごいですね。フリーのサービスでこのくらいなので、有料サービスだともっと精度の高いものがあるのでしょうね。

ちなみに、わたしはモンブランも好きですが、サバランに目がありません。