ポルトでは、あの「レロ書店(Livraria Lello & Irmão)」にも行ってまいりました。
イギリスのガーディアン紙で「世界で最も美しい本屋」の第3位に選ばれた本屋さんということもさることながら(9位には京都の恵文社が選ばれています!)、ハリーポッターの作者ローリング氏が、ポルトのこの書店の近くに住んでいた時期にこの書店にもよく通い、この本屋さんがハリーポッターの世界観にインスピレーションを与えたとかなんとか。真偽は定かではありませんが、お店側ももちろんのっかっており、店内にハリーポッター部屋が用意されています。
そんな本屋だけあって店内に入るにはチケットが必要です。そして、まるで著者のサイン会でもやっているのかというものすごい行列。
前出の記事で1位に選ばれた、オランダのマースリヒトにある「ブクハンデル・ドミニカネン (Boekhandel Dominicanen)」でも、2位に選ばれたアルゼンチンのブエノスアイレスにある「エル・アテネオ・グラン・スプレンディド(El Ateneo Grand Splendid)」 でも、入店するのにチケットを買う必要はありませんでしたし、ましてや並んで入店なんてともありませんでした。これがハリーポッターパワーなのでしょうか。おそるべし。まだ観たことも読んだこともありませんが、読んでみようかな…。
レロ書店、世界で最も有名な本屋であることは間違いなさそう。
とお見せしたいところではございますが、上の写真はリンクのガーディアン紙からお借りいたしました。Twelve of the world's most beautiful bookshops - in pictures | Books | The Guardian
実際はこんな感じ。
一応入店制限があり、案内に立つスタッフが店を出る人数を見計らって店内に入ることができるのですが、そもそもどうせ並んでいるので、もう少し店内に入れる人数を制限してもいいのでは。というか、そうして!
チケット(5ユーロ)は、書店で本を買う際に金券として利用できるのですが、ヒトの圧がすごく、じっくり本を選べず。選べずというか、そう気持ちになれない。
お店側もわかっているのか、とりあえずこの辺買っていったらいいんじゃないとばかりに「ハリーポッター」「星の王子さま」などが、ポルトガル語、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語……と多言語展開で平積みされています。
なんかせつない。本棚の中には、まだ読んだことのない、わたしに読まれることを待っているかもしれない本たちがこんなにたくさんいるのに。人がいっぱいすぎて……
もう、妄想するしかありません。心の中で周囲の人々消し去り、のんびりと階段を上ったり下りたり、デイドリーミングです。
お、おお。ワクワクしてきた。そして目を開ける。
ふう。もう外に出ようかな。
外に出ると、さらに長い列ができていました。
あんなに人がぎゅうぎゅういて、もう出ようと出てきたばかりなのに、もう、もう一回この長い列に並んで、もう一回この本屋さんに入ってもいい気分になっていました。
一瞬前まであのたくさんの人に気圧されていたのに、そんな気持ちになるなんてちょっと意外でもありました。
もう一回、柱の隅々まで、階段の裏の木彫りの模様も、本棚の上の方にあった古い本も、もう一回見てきたい衝動にかられました。行かなかったけど。
でも、またポルトに来たら、きっとまた来ると思います。
レロ書店、そんな本屋さんでした。