「日本ほど清潔な国はない」は言い過ぎにしても、実際キレイだと思うし、公衆衛生という考えがある国だと思う。
一方中国は?というと、多くの人(日本人だけじゃなく)が中国の衛生観念や公衆衛生に対して疑問を持っている人は多いと思う。たぶん。
でも(でも?)、中国でも絶対にキレイにしたいものもある。
例えば、食堂でテーブルに置いてある食器を、再度自分で洗う習慣がある。剥き出しの状態で置きっぱなしになっている食器ではなく、食器洗い業者(日本のおしぼり屋さんのように、中国には食器を回収して洗ってまた納品する業者がある)から戻ってきた、封を開けていないパックされた食器であってももう一度洗う。
23年12月10日にパックされた日付がちゃんとついている。廈門(アモイ)で行った観光客も来るような街中の海鮮食堂。日本だったらこの封を開けてそのまま使いそう。(そもそもパックされた食器セットとかないか・・)
自分でやるお店の方が多いけれど、この食堂はスタッフがやってくれるシステムで、担当のおばちゃんがバリバリっとビニールをはずし、食器セットをボウルにいれ、おもむろに熱湯をじゃばじゃばとかける。
ウイグルで行ったお店では、テーブルに置いてあるポットに入ったお茶をかけて洗っていた。流したお茶はテーブルの下に置いてあるゴミ箱にすてる。ちなみにそのお茶は食器も洗うけれど、飲み物としても飲む。
熱湯なのであっつあつ。専用の熱い食器ばさみもあった。これってお客さんのいるテーブルでやる必要があるのかどうかなぞなところだけれど、なぜ?、どうして?ではなく、習慣だからそういうものなのかな。別にエンターテインメントというわけでもなく、あたりまえに熱湯消毒をしてくれた。
パックされているものは全部熱湯消毒してくれる。
おはしだって袋から出して熱湯をかける。
ここの人たちにとっては当たり前のことなので写真を撮ったりする人はもちろん他にいない。わたしがワイワイするものだから、お店のおばちゃんったらちょっと照れながらも嬉しげにわたしのお箸を両手に1本づつ持ってポーズまでしてくれた。
もちろん写真を撮ったんだけれど、わたしが下手くそすぎておばちゃんが半目だった。おばちゃんの名誉のために非公開にします。
中国にはちょいちょいこそこ気になる?みたいな衛生観念の違いがある。我ら外国人が驚くことのひとつに、中国のお洗濯事情がある。その代表が「別洗い文化」。
下着と他のものを「絶対に一緒に洗わない」という人がかなり多くいる。さらには下着は「絶対に洗濯機で洗わない」という人もいる。たとえ一緒に洗わなくとも、他の洗濯物を洗うのに使う洗濯機に、汚れた下着を入れるのはまわりまわって不衛生だというロジックみたい。
そういう人たちは下着だけは「絶対に手洗い」なのだそう。別洗いはしたいけれど手洗いはしたくない人たちももちろんいるので、そんな人たちのために自分専用のパーソナル洗濯機というジャンルも確立されている。中国の謎は深まるばかり。
(そんなに気にしてる割に外干し文化・・・)と思ったりもする。習慣や文化って奥深い。
ブラジルでは、すべての洗濯物(ジーンズも靴下もパンツも)にアイロンがけをする習慣(これも高温消毒らしい。諸説あります)がある人もけっこういて、自分のパートナーがそういう習慣の家の人だと大変だろうなあと思ったけれど、中国の「下着は手洗い、別洗い、かつ洗濯機は使うべからず」の家のパートナーもしんどいな。