『エドワード・ゴーリーを巡る旅』の前期に行って来た。週明けから後期がスタートなのでギリ間に合った。去年渋谷でも展覧会を開いていて、行ってきたポストを読んでとっても羨ましかったのだ。本当は前の週末に行われた、エドワード・ゴーリーの翻訳をされている柴田元幸のトークイベントと音楽会に行きたかったのだけれど、抽選にはずれ・・無念。
何度かブログに書いているエドワード・ゴーリー、モノトーンで緻密な線画で、残酷で不条理な世界観の絵本作家エドワード・ゴーリー(Edward Gorey,1925-2000)。アメリカ人だけれど、作品は全然アメリカっぽくない。ウィットの加減がもう・・。
場所は千葉の佐原市美術館。エドワード・ゴーリーのモノクロームな世界とは打って変わってさわやかな晴天の佐倉。
のどかな京成佐倉駅
美術館は駅からまっすぐの1本道
大正時代に建てられた銀行が美術館に
大きな絵が迎えてくれる
絵本サイズままの原画、キャリア後期になってはじめたエッチング(銅版画)などなど、約250点の作品や資料が5つのテーマで展示されていて、もうほんとほんと大満足だった。
気になった個人的感想のようなメモ。
1章 ゴーリーと子供
もともと「子供」は彼のメインテーマ。解説には、ゴーリーがヴィクトリア朝のころのイギリスの教訓譚(教訓や価値観を伝えるためのたとえ話)をよく読んでいたとあったけれど、教訓なら子どもの頃に読んだ中川李枝子の『いやいやえん』レベルでとめておいてほしい(あれもじっとり怖かった)。ゴーリーはおもらししちゃいそうな怖さ。当時のアメリカのキッズたちは読んでいたのだろうか。
それとは別に、彼が5歳の時にかいたひよこの絵は可愛かった。10歳くらいの頃から書いていた猫の絵は、子どもが描いたとは思えないしっかりキャラのたった猫だった。
ちなみに彼の絵本、子供はどんどん死んでいくのだけれど、猫はひどい目にあわないの。
2章 ゴーリーが描く不思議な生き物
『うろんな客』の絵のひとつが人間とあのうろんな生き物の縮尺を修正したのか、ホワイトで消して描き直されているのがあって、原画なんだあとジーンときた。
へんちくりんな生き物4匹がお互いにイタズラをしかける絵本があるのだけれど、イタズラがブラックすぎるというか、なかなかエグい。
中学生くらいのころからバレエが好きで、ニューヨークシティ・バレエ団(NYBC)のバレエに通うためにニューヨークに住んでいたゴーリー。NYBCに通い詰めたチケットの半券までごそっと展示されていて笑えた。
『ミステリー』というテレビ番組のオープニングのアニメーションを担当していたそうなのだけど、そのアニメーション(45秒の動画)も展示されていた。そのおどろおどろしいBGMが展示会全体のBGMになるマニアックな演出だった。
4章 ゴーリーの本作り
このセクションは、なんといっても原画の前段階、スケッチや草稿、彼の使用していたペンや文字スケール(文字のサイズの定規のようなもの、彼の絵本はタイプではなくハンドライティングがほとんど)なんかが展示。仕事道具を見ることができるってちょっとトキメキがはんぱなかった。
5章 ケープコッドのコミュニティと象
なんといっても彼のエッチングの作品を初めてみた。一見すると全然雰囲気の違う作品だった。でも、よく見るとやっぱりゴーリーだし、なんと言っても作品につけられていたタイトルが超ゴーリーだった。「身繕いされた右向きのゾウ」「深い霧の中、鼻を丸めて右に動くゾウ」「鼻が折れた左向きのゾウ」・・みたいな。
佐倉の美術館にはたくさんの素敵な椅子やソファがあって、展示室の外に用意されていたゴーリーの本が座って読めるようになっていた。
電車の時間ギリギリまで読んでしまった。今回はじめて読んだ『おぞましい二人』がおぞましすぎた。Amazonの解説に「実話を元にした、子供を誘拐しては殺してしまう「忌まわしいカップル」の物語。原書発売当時は非難続出で、返本の山が築かれたという」とあったけけれど、納得。
ああ楽しかった
充実度高いミュージアムショップ!
その前にごはん
『エドワード・ゴーリーと巡るケープコッドの旅』というインタビュー上映を見ながら、クロックムッシュとチャイをいただく。最近のミュージアムのカフェって、どこもすごいいい。
さて帰ろうっと
まっすぐの1本道、駅に向かう。
ピンクのポスト
協賛しているのかな?
習い事のバリエーションが広すぎるけど、こんな素敵な家で習い事っていいな
栗コロッケ!
じゅん散歩来たんだ(じゆんって)
のどかな京成佐倉駅2
- ブログを書くにあたって、美術館のウェブサイトを見たら「リピーター割引:前回観覧時の半券をお持ちいただいた方は2割引」の記載を発見。捨てなくてよかったー