かき氷目的でやって来たわたしは、この日初めて大森駅を降りた。せっかくなので歩いてみる。
スマホでささっと眺めた情報では「地獄谷」なるディープなスポットが駅の東口に広がるみたい。むくむくと湧いてくる興味。いざ、地獄谷へ!
結論から言うと地獄谷へは辿り着けなかった。なかなかそれらしき場所に辿り着かないからもう一度スマホを開いてみると、地獄谷は「西口」にあるらしい。
西口は高級住宅や豪邸のある、田園調布と並ぶ山王エリアなので、地獄谷は東口だと勝手に思い込んだみたい。それは行けども行けども地獄谷に辿り着かない。
地獄谷はなかったけれど、東口は東口でなかなかディープ空気の街が広がっていた。
毎日酔える味のデパート「しろくま」
独特な雰囲気のハンコ屋さん
街の雰囲気とは似つかわしくない立派なアーケードにたどり着く。
ここは「大森銀座商店街」なのだけれど、アーケードには「Milpa」とある。Milpaとはメキシコの伝統農法(La Milpa)や、トウモロコシ畑(milapa)の意味なのだけれど、なんでそんなへんちくりんな名前がついたのだろう。
その時はそんなことを思っていたが、今大森銀座商店街のウェブサイトを見ると「Milpa(ミルパ)」とは「"Mill park"の略語で『そぞろ歩く公園』の意味です」と書いてある。
え・・・っと、ツッコミどころが多すぎてますます意味がわからない。そっとしておくことにする。もとの「大森銀座」みたいに、なんでもかんでも銀座をつけちゃうのもどうだろうだけれど、ミルパはミルパでもっと謎だ。
ちなみに商店街の右手の通りからはさらにディープな雰囲気が漂ってくるのだけれど、それは後ほど。
ひざへの底力が気になる
ちなみにワイワイセール絶賛開催中
セールな雰囲気でもないのだけれど
ミルパの歴史は長く明治時代から始まる。空襲で商店街が焼失した後の復興、激動の昭和を生き抜き、平成を越え、そのまま令和まできてしまった昭和の街という感じ。手は入れているもののやさぐれ感が拭えない商店街。ウェブサイトはまあまあ立派だったけど。
アーケードの入り口まで戻り、先ほどのディープな香りのする通りを歩いてみる。
線路と並行する飲食街
大森飲食街ビル
語るべき話がいっぱいありそう
昭和な喫茶店
ボリウム!
この日は定休日だったようだ。文字の大きさや書体がちょっとバラけていて脅迫状のような看板もステキだった。開いていたら絶対にボリウムたっぷりの高級生ケーキと世界の珈琲をいただきたかった。
怪しげな看板のお店もいっぱいあった。そんな中でも新しいマンションの建設がどんどん進んでいる。都心にはもうスペースがないので、繁華街やもっといくとドヤ街のようなところにも新築のマンションがグイグイ食い込んできている。境目のない街、トーキョー。