上海ー仙台間は中国国際航空が就航しています。フライトは水曜と日曜。行きは北京を発ち上海を経由して仙台へ。帰りは同じ機体で逆の道のりとなります。
これは先日仙台の実家に行った帰りのこと。この日はお天気良好、風もないフライト日和。
この仙台ー北京/上海フライトは、すでに日本のメジャーなところは行き尽くした、渋く東北狙いでやって来た、旅慣れた中国人の個人旅行客がほとんど。あとは中国人、日本人の出張で行き来しているらしき人、休みを利用して中国近隣国を旅行する中国に住む外国人がごくわずかといった顔ぶれです。
今回は夏の終わりだったこともあってか、中国人観光客よりも、日本人ツアー客がかなり多くいました。中国へ行くのではなく、仙台から上海を経由して北京に行き、北京からヨーロッパに行くというツアーのようでした。
ツアー客の多くは、仙台だけではなく、宮城県、福島県、山形県あたりからも来ているようです。岩手県っぽいイントネーションの方もいたような。
チェックインの時に、到着便が少し遅れたため、出発も10分から15分遅れる予定ですと地上スタッフの方に言われました。
仙台空港はキレイで、すごく小さな空港よりは少し大きいくらいの小さな空港です。あと言う間に手持ち無沙汰になります。
ちょうど「マツコの知らない世界」を見たばかりですっかりバウムクーヘンが食べたくなっていたわたしは、仙台のお土産スイーツの定番「萩の月」で有名な菓匠三全の「仙臺バウム」と「伊達バウム」を明日からの朝ごはん用に買いました。
ラウンジは、ちょっと眺めの良い銀行か病院の待合い室といった感じ。無料のソフトドリンクと、新聞や週刊誌があるくらいです。
置いてあった女性週刊誌の「雅子さまの笑顔のため殿下ギャグ連発中!」というショッキングな見出しにおののき、中国にいる夫に最新の衝撃ニュースを送ったりして過ごしていました。「少年時代から培った親父ギャク大全集」いやあ、殿下……。
そろそろ中に入ろうと、出国手続きを済ませてゲートに向かいました。向かうと言っても仙台空港の国際線のゲートは4つしかないので、みんな同じところです。
手前にちょっとした食事も出す小さな売店があり、大きくはないけれど、一通りはそろっている免税店があります。
ほどなくするとアナウンスがありました。搭乗が始まるのかと思いきや、機体の整備不良のため遅れるとのこと。
この時点では誰も、もちろんわたしも、大したこととは思っていませんでした。ロビーのソファに座って、読んでいた本にそのまま目を落とし続きを読み始めました。
40分くらい経ったでしょうか、ちょっと気になりました。
そう言えば、どのくらい遅れるんだろう。普通なら遅れるアナウンスと共に、新しい搭乗開始予定時刻も言うのでは。特に何も言っていなかったようですし、ゲートの時間も当初の時間のままとなっています。
そこからしばらくして、2度目のアナウンスが聞こえて来ました。よかった、よかった。さあ帰れると思ったら、再び機体の整備不良のために遅れる旨と、搭乗開始については未定とのこと。ロビーが一気にざわつき始めました。
さらにロビーをざわつかせる一言「次のアナウンスはーーです」、その時点からさらに45分後の時刻が伝えられました。少なくともさらに45分後までは飛ばない。
そして3度目のアナウンスが、予告の45分を過ぎ、約1時間後にありました。まさかの1時間前と同じアナウンス。この時点で約2時間待っています。
そしてさらに1時間が過ぎ、4度目のアナウンス。まさかの同じアナウンス。
3時間以上経っても解決しないとは、おまけに解決の見通しすらたっていないとはどれだけの整備不良なのでしょう。
わたしは家に帰るだけですが、ツアーの方はその先の飛行機の乗り継ぎもあります。さらにはツアーの中には時間指定のある目的地(スペイン、バルセロナのサグラダ・ファミリアとか)も含まれているようです。
飛行機はいつ飛ぶのか。飛ばないのか。
飛ばないとなったらどうやって北京に行くのか。北京からの飛行機に間に合わなかったらどうするのか。
そもそもサグラダ・ファミリアを見るために行くのにそこが見れないツアーに行く意味があるのか!
お客さんがそう思ったかどうかはわかりませんが、どうなるか見通しがつかない状態というのはなかなかかわいそうです。
添乗スタッフもなんとかしようと情報収集に努めていらっしゃるのですが、そもそもツアー会社の問題ではなく、中国国際航空の問題です。その航空会社からの回答は「整備不良のため」「出発の見通しはわからない」のみです。
しかもここは仙台空港。中国国際航空の代替え便があるわけはもちろんなく。
これが天候理由などであれば、あっさりとキャンセルにするところでしょうが、今回は航空会社理由のため、航空会社としてはなんとか飛ばしたい。
あららと思っていたら30分ほどたってアナウンス。おおおおおおお!?
「ただいまより、お飲み物をお配りいたします」
飲み物かよー。
とは言えありがたくいただきました。気がつけばあたりはすっかり暗くなってきた仙台空港。
今更ですが、こう言う時にかぎって充電器はスーツケースの預け荷物に……。
免税店に充電ケーブルは売っているので、最悪買うとして、いやあケーブルを買うのやだなあ。次からは、いずれの時でも充電ケーブルは機内持ち込みにします。
そろそろ今日は帰れないかもしれない段取りを考えなければ。
処理しなければならないものがあるのですが、スマホではひらけないファイルなので、違うファイルに変換して送ってもらうように頼んで……
バタバタしながらさらに30分ほどが過ぎ、再びアナウンス。
飛びます!拍手ーーーー。ゆっくりゲート向かって現れた機体が見え、また拍手。
4時間半遅れで無事に飛び立ちました。ツアーの方達も、この後何も問題が起こらなければギリギリ乗り継げるようです。よかったよかった。
よかったよかった、というだけのお話でした。