上海の厳しいゼロコロナ水際対策

中国のコロナ対策は、ゼロコロナ政策。

中華系の航空会社であれば飛行機に乗った瞬間から、それ以外の国の航空会社であれば上海の空港に降り立った時点から、乗客以外全員が防護服で完全防備。それ以外の人と絶対に接触しない動線がセットされ、テレビやSNSで見ていた通りの防護服チームのお出迎いに「おおおっ」となりました。

搭乗前に成田でも鼻に綿棒を入れるバージョンのPCR検査を受け、そこそこ「おおっ」となったのですが、中国入国時のPCR検査は、成田の倍ぐらい奥まで（個人の感想です）鼻に綿棒を入れられ「うおおおっ」となりました。

検査中に離れたところから男性のえずく声が響き渡っていました。何事かと思たら、空港のPCR検査は鼻の他に喉も必要で、喉の奥を綿棒でかなり念入りに（想像の倍くらい）ぐりんぐりんと数往復されます。おじさんのえずきにも納得。わたしも声が出そうになりましたが、ここにいる小さなこどもたちも同じことをやっているんだからとなんとか耐え忍ぶ。

f:id:pucayu:20211208175501p:plain — 上海浦東（プードン）国際空港には移動PCR検査室が何台も

入国に際してのPCRの道のりは長く、入国時空港での１回目の後、４、７、14、16、21日目、重点地区からの渡航者はさらに10日目も。ふう。

中国のコロナ対策は、大元の方針は国主導ですが、実際に対応するのは省政府、水際対策は区政府の管轄となっています。そんなわけで上海の場合、入国後の隔離は自宅のある区ごと、自宅が決まっていない人については市政府が対応するそうです。上海市以外が目的地の人は、３日間上海で隔離の後、その先の目的地へ移動するそうです。

現在の上海の隔離措置は21日間。入国後14日間の集中隔離＋7日間の健康管理観察となっています。14日間の集中隔離は、自宅のある区内の指定のホテルのどこか、自宅のない人は上海市内のどこかです。最後の７日間は自宅かホテルでの隔離です。

集中隔離のホテルへは、空港から到着地を知らされずにバスに乗せられ連れて行かれました。これは・・ミステリーツアー？しかもワクワク感はもちろんなく、むしろ戦々恐々。とか言いながらバスが動き始める前に寝てしまいましたが。ぐう。

何が恐ろしいかと言うと、ホテル格差がえげつないんです。ツイッターやインスタグラムで見ていると、海の見えるリゾートホテルのような美しい部屋から、光入らず＋空調が動かず＋狭く＋清掃の行き届かない（などなどなど……）ハードな環境の部屋までいろいろ。

恐怖に震えますが、誰かにお願いしたらどうかなるものでもない（ですよね？）ので、生涯で一番きつかったジョグジャカルタで泊まった、上記のハード環境に簡易ベッドがポツンと置かれた１泊500円の狭くジメッとカビっぽいあの部屋よりひどいことはないだろうと、腹をくくって恐怖で縮みきった心を奮い立たせます。いざっ。

f:id:pucayu:20211208193403j:plain — 心をこめて、丁寧に、びっちゃびちゃに消毒される

約１時間の深い眠りから目がさめるとホテルに到着。到着後に一番最初にすることは荷物の消毒。空港でもばっちり消毒液をかけていただいてきたんですけどね。

わたしの連れて行かれたホテルは、おそらく平均的なところではないかと想像します。ジャカルタの500円部屋と比べたら天国。心から安堵。窓もあるし、ネット環境もまあまあ良く、暖房もしっかり効いています。ベッドだって２台もあるし（簡易ベッドじゃない）ほんと良かった。良かったーーーーーー

チェックイン後、一旦部屋に入ったら14日間は一歩たりとも出られません。わたしの部屋のドアにはセンサーがついており、開いたままになっているとアラーム音が鳴り出します。隔離場所によっては１日の開閉可能回数が決まっているとかいないとか。さらに違反をすると14日のカウントがまた１日目のふりだしに戻るとか戻らないとか。