ひつじ泥棒2

Who stole my sheep?

日本人ならみんな知っている、と思わないでほしい

 

大人になってから、いくつかの公立や民間の語学学校に通いました。そこで教えてくれた先生方は、年代も性別もばらばら、わたしよりも若い方、同年代の方、上の世代の方といろいろで、どの言語もちょっとユニークな方が多かった印象です。性格的にすごく合うとか、まあまあなど、好みの差はありますが、どこでも楽しくレッスンに通っていました。その点ではとてもラッキーだったと思います。

しかし、そのラッキーな状況に変化があったのが4年前のことです。4年前、初めて上海に来た時に中国語のレッスンを始めたのです。短い期間ではありましたが、トータル2人の先生のレッスンを受けました。

いずれにしてもほんとうに短い期間のことなので、わたしが未だに中国語が話せないのは先生方の問題ではなく、わたしの問題だということははっきりさせておきます。

なのでわたしの上達うんぬんが問題だったわけではないのですが、それにしてもなんだか今ひとつどうなのかな、しっくりこないわと思っていたことが、本日のブログタイトルの「日本人ならみんな知ってると思わないでほしい」なのです。

外国で、外国語を、外国人の先生に習うとあらば、教える側の国の文化や、教えられる側の国の文化が話題に上るというのは避けられないことだろう・・というのは私も理解しています。

が、しかし。それでもこれは声を大にして言いたい。日本人の誰もが中国で生活するにあたり基礎知識として「三国志」を読んでくるわけではないし、日本に住んでいる日本人の一般常識として、誰もがジャニーズ事務所のアイドルたちについての知識を持ち合わせているのではないということを。

ふたりとも「中国の首都は北京で、公用語は中国語(普通話)」と同じレベルで「蜀の初代皇帝は劉備」の話題をふってきますし、「運命を作曲したのはベートーベン」と同じレベルで「嵐の大野が上海に来た時に行った小籠包のお店」の話をしてくるんです。

わたしの無知について否定はしませんが、三国志の三国がどこなのかも言われれば「あ、ああ。名前は聞いたことあるわ」くらいのものですし、ましてや劉備とか諸葛孔明とか言われても、日本語だってふりがなをふってほしいレベル。中国語読みで言われたってわかるわけがありません。

嵐にしたって、コロナ禍で帰国難民となりたまたま日本にいた時期が、嵐の活動停止前の最後の1年と重なったから、やっとあの人たちが嵐だと認識できるようになったレベルです。嵐じゃなければジャニーズWESTはどうかとか、いやいやそういう問題じゃないんですって、先生。そんなわたしに「高校生のときは嵐が好きだったけど、今は緑ジャス民です」と言われましても、何をどう返答したらよいのか・・。

ごく短い期間とはいえ、おふたりのどちらも、三国志とジャニーズの登場しない日はなく、「当然知っているであろうもの」の標本があまりにも違いすぎ(三国志とジャニーズが悪いということではなく)、なかなか歩み寄るポイントをつかめなかったことを覚えています。

それこそサンプルがふたりしかいないので、これが中国語の先生あるあるなのかは知りませんが(そうじゃないことを願います)、中国で中国語を習う際には、三国志とジャニーズの面々についてはさらっと知識を入れておいた方が、先生とのコミュニケーションがスムーズに取れるのかもしれません。もしかしたら。

そんなわけで、とりあえずは「マンガ三国志」を読んでみました。

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ゴルフの打ちっ放しに付き合い、ベンチで三国志を読む上海の冬2022